カルチャー
さーて、12月はどんな展示に行こうかな。
一年の締めくくりに行っておきたい展示4選。
2023年12月14日
text: Ryoma Uchida
シュルレアリスムと京都
@京都文化博物館
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/f58c7797d5d29ea2b48478a156a88313.jpg)
20世紀最大の芸術運動「シュルレアリスム」。人間の意識の裏に隠れたイマジネーションを解放し、芸術に新たな可能性を求めるものだった。それは言語の壁も易々と超え、同時代の京都へ届く。北脇昇や小牧源太郎、今井憲一、松崎政雄ら、独立美術京都研究所や新日本洋画協会に所属する一部の画家を中心に、先鋭的なシュルレアリスムの実験が広まっていった。しかし、二つの大戦に挟まれた困難な時代に描かれた作品は、画家たちの切実な思いがにじみ出たものへと変容し、戦後へと引き継がれるのであった。詩人のアンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表してからまもなく100年。「新しい戦前」と形容されるこの時代だ。この現象を俯瞰して考察するとともに、京都ではどのように芸術運動が展開されたのか、必見の展示だ!
インフォメーション
シュルレアリスムと京都
会場:京都文化博物館 2階総合展示室
会期:2023年12月23日(土)〜2024年2月18日(日)
時間:10:00〜19:30(入場は19:00まで)
休み:月曜日(ただし1月8日、2月12日は開館)、年末年始(12/28~1/3)、1月9日、2月13日
料金:一般500円、大学生400円、高校生以下無料
公式サイト
https://www.bunpaku.or.jp/exhi_sogo_post/20231223-0218/
荒木悠 LONELY PLANETS
@十和田市現代美術館
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/towada_arakiyu_B2_1004_ol_sample-1600x2261.jpg)
さだまさしが宇多田ヒカルの『Automatic』を初めて聴いたとき、サビの「It’s Automatic」が「いつお泊まり?」に聴こえて驚いたというのは有名な話。そんなように、きっとみんなそれぞれオリジナルの空耳があるはずだ。本展タイトルの『LONELY PLANETS』も老舗旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の名前が、ある歌詞の聞き間違いから生まれたことがその由来。日本とアメリカを行き来しながら育ったアーティストの荒木悠は、各地の様々な言語・文化間で起こるそんな誤訳や誤解、オリジナルと複製の関係、それらが表出させる権力構造を、ドキュメンタリー、アニメーションなどの映画や映像作品で、時にユーモラスに表現してきたアーティストである。真冬の十和田で面白い出会いがありそうだ。
インフォメーション
荒木悠 LONELY PLANETS
会場:十和田市現代美術館
会期:2023年12月9日(土) 〜2024年3月31日(日)
時間:9:00〜17:00(入場は閉館の30分前まで)
休み:月曜日(祝日の場合はその翌日)、12月25日から1月1日まで年末年始休館、1月22日から29日までメンテナンス休館。
料金:1800円(常設展込み)。高校生以下無料。
四谷シモンと金子國義 —— あどけない誘惑
@下瀬美術館
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/press-release-3.jpg)
1960〜70年代の日本のアングラシーンを支え、今でもカルト的人気を誇る人形作家の四谷シモン(1944ー)と画家の金子國義(1936ー2015)。二人は1960年代初頭に新宿のジャズ喫茶で出会い、アングラ劇団でともに女形役者を経験しながら、人形と絵画というそれぞれの表現を確立させて、互いの美意識を認め合う親友同士だった。この二人が精神的支柱としたフランス文学者、澁澤龍彦が切り拓いた「エロティシズム」といった文学的なテーマを軸に、耽美的で猥雑な世界が展開される。下瀬美術館は実は今年オープンしたばかり。建築家・坂茂が手がけた館の空間ごと楽しもう!
インフォメーション
四谷シモンと金子國義 —— あどけない誘惑
会場:下瀬美術館
会期:2023年10月1日(日)〜2024年1月14日(日)
時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休み:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12月30日~1月1日)
料金:一般1800円、高校生・大学生900円、中学生以下無料
ヨシ・ソデオカ 個展『1.618?』
@CALM & PUNK GALLERY
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/12/Wind-Flags_fix-B.jpg)
アーティスト、ヨシ・ソデオカ(袖岡由英)による日本初個展が開催。METALLICAやTame Impala、Oneohtrix Point Never、Max Cooperなどの海外の著名なミュージシャンなどとのビデオのコラボレーションやApple、Samsungとの広告プロジェクト、New York Timesへのイラスト寄稿など複数の領域でクリエイティブを展開してきた伝説のアーティストだ。数学的探究からはじまるビジュアルアートの魅惑の世界を堪能しよう。限定エディション作品の販売もあるそうなので、お財布持参をお忘れなく。
インフォメーション
ヨシ・ソデオカ 個展『1.618?』
会場:CALM & PUNK GALLERY
会期:2023年12月1日(金)〜12月17日(日)
時間:13:00〜19:00
休み:日、月、火曜日、(最終日曜日は開廊)
料金:無料
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