ライフスタイル
“変わらない”というスタイルがある。
僕らの大好きなセンパイたちは、 昔からあまり変わっていなかった!
2021年11月10日
text: Koji Toyoda
edit: Tamio Ogasawara
2018年2月 850号初出
※時制・年齢は掲載当時のままです。
マイケル・タピア _47
〈タピア ロサンゼルス〉デザイナー
26歳のマイケル・タピアさん。この時代は、〈ラルフ ローレン〉は辞めて、〈マイケル タピア〉を立ち上げる前にヨーロッパに住んでいた頃だったそうだが、写真はキューバでの一枚。今も昔もヴィンテージミリタリーに夢中で、着ているのは、フレンチエアフォースシャツに、イングリッシュミリタリーパンツ。
内田 斉 _48
『ジャンティーク』オーナー
〈ハーレーダビッドソン〉のTシャツに、〈リー〉の101をはき、足元はエンジニアブーツ。古着屋さんなら一度は訪れるフリーマーケットのローズボウルのメインゲート前で撮影した、19歳の頃の内田さんだ。「あれからもう30年近くたちますが、自然とこの格好で店に立っていることもあります。極力しないようにと思っているのですが(笑)」
尹 勝浩 _48
〈ビームス〉ファッションディレクター
「ビームス」入社前のまだ大阪時代の尹さん。「当時からヴィンテージに夢中でして、この写真でも〈Lee〉の101Jを着て、同じく〈Lee〉の101Zをはいていますね」。アメリカものをキレイに着こなすというスタイルはこの頃も変わらない。ただ、当時は竹村延和に憧れ、クラブDJもいいなと思っていたそうだ。
小林和人 _42
『ラウンダバウト』オーナー
目を疑うような見事なブレイキングポーズは『ラウンダバウト』の小林さんだ。’90年代後半にB-Boyingに目覚め、いろんなイベントを回っては研究していた時代。「当時はオールドスクール・マナーに則ったスタイルだったので、上も下もタイトでしたね(笑)。でも、〈アディダス〉のジャージではなく、軍もののジャケットに古着のTシャツに〈プーマ〉のスウェード。文脈は踏襲しつつ、そこに自分なりの解釈を加えるという姿勢をこの頃に学んだ気がします」
八木沢博幸 _62
『原宿キャシディ』仕入れ販売担当
この写真はいったいどちらを気にしたらいいのだろうか。〈ペンドルトン〉のブラックウォッチのジャケットに〈アイク ベーハー〉のシャツ。〈ラフ ヒューン〉のコーデュロイパンツに〈パラブーツ〉。このまま年をとれば、普通に現在の八木沢さんとなる。NYに買い付けに行ったときに偶然出会って、『原宿キャシディ』という店で働いていますと言って、写真をお願いしたそうだ。「今見ると〈ラルフ ローレン〉着てないですよね。ちゃんと着とけばよかったです」
ソリマチアキラ _51
イラストレーター
「’50年代のジャズマン、ジェリー・マリガンのスタイルに影響を受けて、モスグリーンのウール地を使った細身のアイビースーツを愛用していました。あらためて思い返してもエネルギッシュですね」。20代の頃は、夜の遊び場に出掛けるときはスーツを着ていることも多かったというソリマチさんは、これを渋谷の『ボストンテーラー』で誂えた。’50~’60年代のエレガンスを求め、当時のスーツに袖を通すこともあるそうだが、いつの時代もスーツが似合う!
ピエール・フルニエ _73
〈アナトミカ〉デザイナー
まるでエルスケンの写真のような一枚は、「HEC Paris」というビジネススクールのキャンパス内で撮られた26歳の頃のピエール・フルニエさん。今も当時もエレガントで機能的なワークスタイル。着ているフレンチモールスキンのダブルブレストジャケットは、’60年代のフレンチアーミーもののデッドストックなんだって。
仁科晴雄 _48
『ザップ サーフ』オーナー
カリフォルニア留学から帰国後、上の写真のピエールさんが携わっていたセレクトショップ『エミスフェール』のスタッフをしていた頃の仁科さん。ヨーロッパものが多い一方で、社長や上司は極度のアメリカもの好き。だから、当時は写真のように、GJK(Gジャンのことをこう呼んでたそう)に、〈オルテガ〉のベスト。〈リーバイス〉の501に、〈レッドウィング〉のアイリッシュセッターという服装。「この頃からGJKは僕のベーシックに。今でもよく着ます」
斉藤久夫 _72
〈チューブ〉デザイナー
「19歳かな、伊豆ですね。デパートで〈マリブ〉のサーフボードを手に入れて、多々戸浜によく遊びに行っていた頃。夏になれば2か月、家を借りて、サーフィン漬けの毎日。牛乳配達のバイトをしたりしながらね」。トレードマークの〈レイバン〉の眼鏡がないからわからなかったが、大先輩の斉藤久夫さんだ。〈ヘインズ〉のTシャツに、〈リーバイス〉の501XX(当時はレギュラー)が定番だったそうだが、それが今のメンズファッションのベーシックだと思うと、歴史的一枚。
テリー・エリス _56
『フェニカ』ディレクター
バスキアか! と思ったら、エリスさんだった。格好良すぎるでしょ! 「トラッドなアイテムをミックスするのは、すでに当時からの僕のルールでした」と話してくれたとおり、イギリス軍のシャツに、〈ハケット〉のパンツ、〈バス〉のローファー。右の写真は、〈コム デ ギャルソン〉のシャツに〈リーバイス〉の501、〈アディダス〉のスーパースター
山本海人 _35
〈サノバチーズ〉デザイナー
14歳のときのヒーローは、ビースティ・ボーイズ。「スケートを始めたばかりで、その周辺のカルチャーを貪るように掘っていましたね。なかでも特別だったのが〈XLARGE〉。この写真でも帽子をかぶっていますね(笑)」。それに合わせていたのが、アメリカ軍のアウターに〈リーバイス〉の501。今では同じものを着ることも少なくなったそうだが、明らかにこのとき身に付けたストリートなアメリカンカルチャーはどっしり根を下ろしている。
西山 徹 _43
〈WTAPS〉〈DESCENDANT〉ディレクター
〈パウエル〉のTシャツに、〈リーバイス〉501をはき、靴は〈ナイキ〉のエアジョーダン1。スケートボードに夢中だった13歳の頃の徹さん(左写真)だが、その5年後(右写真)には、バイクにも興味が出始め、〈Real〉のステッカーを貼ったMA-1に、ワークパンツという、スケートができてバイクも乗れるいでたちとなる。「今でもすべてがスタンダード」という、10代の頃に吸収しまくったいろんなカルチャーは、全部が全部、現在とつながっているのだ。
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