フード

FOREIGN RESTAURANT’S OWNER IN TOKYO Vol.1

🇮🇹 『Gelato Mammamia』マリオ・アンドレアさん / インタビュー土井光

2021年10月22日

interview: Hikaru Doi
design: Shoko Yoshida
edit: Yukako Kazuno

海外の方が日本でオープンした外国料理の店は、味はもちろんだけど、それと同じくらい店主の人柄や考え方が魅力的だったりする。各地のローカルな風を届けてくれる東京近郊の名店の店主を料理家の土井光さんと巡るコラム始まります!

 『Gelato Mammamia』を知ったのは昨年の秋ごろ。行ってみたいと思っていたある日、『スローフードジャパン』の創設をされた、立命館大学教授の石田雅芳さんがこのお店のFacebookに「いいね」をしているのを発見しました。イタリアにまつわる食文化や著名人をご周知の石田さんが「いいね」されるなら…と湯島へ出向きました。いざ出かけてみると、気さくなイタリアの店主マリオ・アンドレアさんがアモーレを込めてジェラートを作っていました。

なんでも聞いて聞いて!

日本に来たきっかけを教えてください。

妻が日本の人、というのが一番の理由で、住んでみるといいことがたくさん起きて。とてもいい国だと思いましたね。

日本で結婚して住むと決めたのですか?

シー。(Yesの意味)

イタリアでもジェラート屋さんをされていたのですか?

ヴェネツィアの近くに父の店があり仕事を手伝っていたんですよ。

お店はなぜ湯島を選んだのでしょう?

探していた物件がここで見つかって。湯島に来たときはすごい文化だなと感じました。それから6年になります。

カラフルなバンダナがチャームポイント。

お店の名前である「マンマミーア」という言葉は、イタリア語で「オーマイゴット」の意味ですよね。すごく耳に残ります。由来は何でしょう?

そう。「びっくり!」という意味で、お客さんに驚いてほしいという意味を込めて考えました。日本人でも聞いたことがある言葉だろうし、可愛くて覚えやすい。あとは、みんなオノマトペの言葉が好きね。

お店の至るところに、通称「ピスタチオ」のキャラクター。そして、スーパーマリオの声で「マンマミーア!」と流れているこの音楽は、オーナーさんのアイデアなのですか?(笑)

通称”ピスタチオ”

お客さんが来てくれるように、と少し面白いものを考えました。最初は、キリギリスとか、猫の鳴き声にしていて。振り向いてはくれるけど、お店だって気付いてもらえなかったから、日本ではみんなが知っているマリオの音にしました。

動画もご自身で?

もちろんね。クオリティはあんまりだけど(笑)

動画は左のスクリーンで流れている。

湯島のお客さんの印象はいかがですか?

常連さんがほとんどで嬉しいです。週末には、子どもや犬と一緒に来る姿がかわいい感じね。

イタリアと日本のジェラート屋さんの違いは何でしょうか?

イタリアでは手作りのお店は少しで、工場で簡単なものを作るところが多いです。例えば、パウダーを使ったり。ここのお店では、本物のヨーグルトやマスカルポーネを使っています。でも、私のお店とフランチャイズ店は別物で、簡単な材料を使うのも悪くないと思います。

“この店はフランチャイズかチェーンじゃない!”

この6年間で大変だったことはありますか?

いろいろあります。朝の仕込みも大変だけど、それは楽しいことで。一番大変なのは、清潔にし続けること。クリアな味をお客さんに出したいから。

お店をされていて、ハッピーだなと感じるときはいつでしょう?

お客さんが来てくれるとき。これは一歩一歩という感じで、東京は大きい街だし、結構長い時間がかかりました。

お店はきっと、ゆっくり丁寧にやっていけばいいんですよね。

そう。ゆっくりやっていくとお客さんの気持ちに気付くことができて、少しずつお客さんが増えて。ここは、スタッフやプロモーションをする人もいないし、私ひとりでやっているから。そして、食べるものは大切だと思うから、いい食材を使うようにしていて。どんなものが口に入るか、お客さんにも知ってもらえたら、もっといい店になると思います。

毎日丁寧に作っているジェラート、いただきます。

いい食材を使って、美味しいジェラートを作っていいお客さんが来るのがベストですよね?

作っている人の気持ちがジェラートにも出ると思うから、いい気持ちでいることが大事!

なるほど! 今日はありがとうございました!

インフォメーション

Gelato Mammamia

◯文京区湯島3-42-11 電話番号なし 14:00-20:00 月休