FOOD

FOREIGN RESTAURANT’S OWNER IN TOKYO Vol.3

🇮🇹 『Clandestino 41』ダニエレ・グレコさん/インタビュー土井光

2022.02.02(Wed)

interview: Hikaru Doi
design: Shoko Yoshida

海外から来た方が日本でオープンした外国料理の店は、味はもちろんだけど、それと同じくらい店主の人柄や考え方が魅力的だったりする。各地のローカルな風を届けてくれる東京近郊の名店の店主を料理家の土井光さんと巡るコラム!

中目黒にイタリアがある、とイタリア料理が大好きな知人から教えて頂いたので目をつけていました。初めて行った時は長椅子にバーのような店内に少し緊張。でも従業員の方々の流暢な日本語と素敵な笑顔、美味しいお料理に大満足で後にしたのをよく覚えています。ふらっとビールだけでも、お腹いっぱいになりたくても、甘いものだけ食べたくても、臨機応変に答えてくれるお店の方々はパワーと愛情があって心地よいです。イタリア旅行はもうちょっと先になりそうなので、ぜひお立ち寄りに!

  

こんにちは! 今日はよろしくお願いします。
早速ですが、このイタリアンバーはオープンしてどれくらい経ちますか?

2019年の11月から始めたので、2年ほど経ちました。オープンして数ヶ月でコロナが流行してしまったけど…。

すごく日本語がお上手ですが、オープンした時に来日したのですか?

20年前に仕事で初めて来日しました。たまにイタリアと行き来しながら、イタリアチョコレートの輸入会社で働いたり、イングリッシュパブや三軒茶屋の小さなバーで働いたり。仕事が好きなのかな。それで日本語は覚えていきました!

なぜ中目黒でお店を? このお店はイタリア人のお客さんでものすごく賑わっていますよね。

恵比寿とかもいろいろ探しましたけど、今の場所は前もイタリア料理のお店が入っていたところなんです。知り合い経由でお店を閉じると聞いたので、ここにしました。中目黒という街自体いいところだし。今はイタリア人のたまり場みたいになっちゃってるね(笑)。

ここのインテリアはご自身で決められたのですか?

もともとコンクリート打ちっぱなしで、カウンターやテーブルも置いてあった。床は赤かったからそれを変えたり、壁に飾りを付けたり。

ここのお店で「ピンサ」という料理が好きなのですが、ピザとはまた違いますよね?

確かに似てはいるけど、生地、作り方、由来も違う。開発した人たちがピザより古いとかローマ時代に食べられてたものだとか売り文句を作ってたんだけど、結局それは嘘(笑)。本当は最近の料理!

ピザとの決定的な違いってなんでしょう?

使っている粉と発酵時間かな。米粉やスーパーでも手に入る大豆パウダーが一般的。発酵時間もピザよりも長くて、イースト菌も少ないし水の量も少ない。だけどうちのピンサは、粉も他のを使っているし、水も多めに入れて発酵の仕方も変えている。作るのに3日間くらいかかるよ。何回も来て欲しいから、胃もたれしないものを作ってる。

発酵して、分けて寝かせているピンサの生地。

こんなに小さいキッチンからよくこんなクオリティ高いものが出てくるなって、いつも驚いちゃいます(笑)。バーだとは思えないですね。

でも、オープン当時はお客さんもレストランの前後に来て、チーズとか食前酒を飲んだりする感じで他の料理は出してなかった。新型コロナウイルスの影響で時短営業になって暇だったので、そこからいろいろ作ろうってなって。ピンサもそこから勉強し始めました。コロナがなかったらできなかったから、「ソーシャルディスタンス」とか「アストラゼネカ」とか、ピンサの名前は全てコロナ関係の名前にしてる(笑)。

#CELAFAREMO¥1,600

おいしそう! このメニュー名の#CELAFAREMOはどういう意味ですか?

イタリアでコロナになった時、家から歌ったりとか、それをインスタグラムで投稿するときに「きっと乗り越えるだろう」って意味の#CELAFAREMOのタグをイタリア人がたくさん付けてたから、それで付けました。

お酒もたくさんありますが、定期的に内容は変えてるいるんですか?

はい。特にワインは、知り合いにワインのインポーターがいっぱいいるから、みんなから少しずつ頼んだり。意外と、10万円くらいする高いものも入れてるよ。

生ハムを切る機械もチーズとサラミのインポーターから借りています。今切ってるのは、普段は出さないイタリアで一番高級な生ハム、「クラテッロ・ディ・ジベッロ」です。香りも全然違うし、イタリアでもなかなか食べられない。

生ハムとコッパの盛り合わせ¥1,900
左手前がクラテッロ・ディ・ジベッロ。特別に入れてくれた。

パンも少し違うように見えますが…。

うちはパンも自家製で、ピンサと同じ作り方で水をいっぱい入れて作ります。あと、知り合いの日本のクラフトビール会社からたまにもらう麦芽を入れてます。それによって、深い味わいが出る。

ミニマムな環境でこんなにこだわっているなんて。今も十分盛り上がっているけど、もっといろんな人に知られて欲しいですね。

食べていただいたピンサとハムがうちの一押しだけど、手打ちパスタも美味しいからそちらも是非! パッパルデッレというきしめんみたいなパスタと、トルテッリっていう包んであるパスタと、ニョッキ。あと、今はカペレッティという帽子みたいな形をしてるラビオリがあって、中にブラータチーズが入ってたり。その時お店でやっちゃおうって思ったものをどんどん作ってる。あと今トルテリーニっていうクリスマスの時期にイタリアで食べる小さいラビオリ。従業員みんなで夜中に作ってます(笑)。

大体3,4種類あって、ずっと同じものはない。時期によってとか、季節の野菜に合わせて色々変えていくので、一回来て次同じの食べようと思ったときにあるかわからないけど(笑)。

それがいいと思います。それでこその飲食店だし!

インフォメーション

Clandestino 41

◯目黒区上目黒1丁目19−4 中目黒TNビル 2F ☎︎03•6303•1910 17:30〜24:00(通常時) 火休
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