TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
【#1】刷り込み
執筆:ユースケ(ダイアン)
2026年5月14日
雛は生まれて初めて見た動く物を親と認識し追従する「刷り込み」という習性があると言う。
僕は他の物にもこれに似た習性があるように思う。
例えばファッション。
僕がファッションに興味を持ち出したのは中学生ぐらいだと記憶している。
小学生の頃はケミカルウォッシュのジーパンを履いていたのがボブソンのジーパンを買い、その後ラングラーのブラックジーンズを買い、その後現行のリーバイス501を買った。
リーバイスの股上の浅さ、ストレートさには違和感しかなかった。
これはかっこいいのか?
めちゃくちゃストレートやけど。
いやストレートなのに少しだけベルボトムにも見える。
どういう作用が働いてるんや。
しかし違和感がありつつも履き続けた。
それがある時、古着というものを知ることになる。
しかし知識がないので古着屋に行っても何もわからずにただただ置いてある服を見ていた。
そして高校生になり雑誌などで古着も勉強しつつ、それまでよりも知識をつけて、京都や大阪の古着屋に通うようになった。
そして。
その頃、今から30年以上前の古着屋で見た店員さんのファッションが当時の僕をさらに古着に夢中にさせた。
その店員さんは今でも僕の中で一番かっこいいファッションのお手本になっている。
明らかに異質な空気感でオーラを放ち、光って見えていた。
30年以上も前に見た光景なのに今でもはっきり覚えている。
おそらくダブルエックスやビッグEのようなヴィンテージデニムを少しだけ大きめで履く、そして少しだけ落として履く。
腰で履くほどは落としてない、若干だけ落とす。
そしてNIKEのスニーカー。オリジナルのターミネーターやダンクなどをこれまた大きめで履いて、紐をきつめに縛る、そうするとつま先が少しだけ反り上がる。
これがめちゃくちゃかっこいい。
そしてヴィンテージスウェットやカバーオール。
これは着ている物が重要なのではなくて着方が重要なのだ。
(もちろん服も大事だが)
同じ物を着てもダサい人はたくさんいる。
当然着方の話をしている。
このスタイルが49歳になった今でも僕の中にずっと残っている。
今でも気がつけばそんな着方をしている。
ファッションに古着に興味を持ち出した雛のような男子高校生には充分過ぎるインパクトがあった。
僕の中でのファッションリーダーは今もあの店員さんなのだ。
その店員さんを親と思い、刷り込まれ今でも僕は追いかけているのだろう。
インフォメーション
ユースケ(ダイアン)
ゆーすけ|1977年、滋賀県生まれ。中学時代の同級生である津田篤宏と、2000年にお笑いコンビ・ダイアンを結成。2009年「上方漫才大賞」第44回新人賞、2007年、2008年と「M-1グランプリ」決勝進出を果たすなどの実力派。バラエティ番組にも多数出演するほか、今年1月には初の著書『なんなん自分』(KADOKAWA)を刊行した。
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