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見た目は豪快、味は繊細。キッチンカー『HEYM’S MEAL STORE』でアメリカ南部のケイジャン・クレオール料理を。

11月はこんなお店に行ってきた。

2024年12月2日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルして行きやすくなったお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

ガンボライス¥880。ルーがたっぷりかかっており、付け合わせにマカロニとサラダもついてボリューム満点の一皿。

 買い物客が行き交う土曜日に南青山の骨董通りを歩いていると、チップスやダンボールで作った看板をぶら下げた陽気そうな1台のトラックに目が止まる。ガンボライス、シュリンプ エトフェなど馴染みのないメニューが気になり、覗いてみると、アメリカ南部のケイジャン・クレオール料理を中心に提供している『HEYM’S MEAL STORE』というフードトラックだった。

 1人で切り盛りする安井弘明さんは、元々ドラマのカメラマンをしており、5年前に元々興味のあった飲食業に転身。たまプラーザで30年続くアメリカ料理店『トルバドール』などで4年間修行し、2023年4月に独立した。当時からの人気メニューであるガンボライスは、玉ねぎ、ピーマン、ソーセージ、ソフトシェルクラブをケイジャンスパイスとチキンストック、魚介の出汁でじっくりと煮込んだ一品。カレーのように見えるけれど、ソフトシェルクラブの殻から出る出汁の風味もしっかり残っていて、「見た目は豪快、味は繊細。日本人が美味しいと思うアメリカ料理をイメージしています」と安井さんが言っていた通り、凝縮した魚介の旨みとスパイスがほのかに香り、ご飯との相性も抜群だ。

 店舗開業を目指しているためイベントには出店せず、各曜日のランチタイムに決まった場所でリピーターを増やしているが、実店舗をオープンする際はトラックを畳んでしまうから、その前に思いが込められた車でボリューミーなランチをテイクアウトしてほしい。南青山、品川、紀尾井町、小伝馬町と毎日違う場所で営業しているから行きやすい場所を狙って訪れよう。

母親の実家が仕出し屋で、学生の頃の文集にも「料理人になりたい」と書いていた安井さん。出身地の関西でお店をやりたいという思いもあり、まずは店舗を持たずキッチンカーからスタートしたが、同業者との出会いもあり現在は都内で店を持ちたいという気持ちになった。

車や看板は安井さんが絵を描いてデザイン案を考えており、アメリカのベンダーのような雰囲気で統一されている。

インフォメーション

見た目は豪快、味は繊細。キッチンカー『HEYM’S MEAL STORE』でアメリカ南部のケイジャン・クレオール料理を。

HEYM'S MEAL STORE

月、火、水、木、土の週5営業。各曜日で出店場所が違うからインスタグラムでご確認を! 撮影時は、南青山・骨董通りに面した出店場所での営業日。日、金休

Instagram
https://www.instagram.com/heyms_m.s/

撮影協力:フードトラックパーク南青山(『小原流会館』前)