フード

下北沢で12年続くビストロが始めたビール醸造所『カノンブルーイング』のフレンチなフィッシュ&チップス。

9月はこんなお店に行ってきた。

2023年9月29日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルしたお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

フィッシュ&チップス
フィッシュ&チップス¥1,200 レギュラーサイズのペールエール¥800(プレオープン価格。10月のグランドオープンに価格が変動する可能性があります。) 衣に使っている「パートフィロ」はコーンスターチと小麦粉、水、オイルを合わせた生地で春巻きのようにパリパリ。モルトビネガーをたっぷりかけて食べるのが現地流。

 ビストロといえばワインのイメージが強いから、下北沢で12年続くビストロ『ユリイカ』が新しく始めた『カノンブルーイング』がビールの醸造所兼タップルームということに驚いた。しかも、ホップから自分たちで育てる本気ぶり。

 4種類あるビールは苦味を控えめに作っているのが特徴。というのも、フードメニューが充実していて、料理に合わせる前提のビールだから。まず食べてほしいのは、オリジナルのフィッシュ&チップス。ロンドンに住んでいた経験がある店主の渡部巧さんがよく食べていた庶民の味をフレンチの技術で作り上げた一皿だ。魚はタラやヒラメなど色々と試した結果、いちばんしっとり仕上がったマダイに。衣は「パートフィロ」という地中海発祥のパイ生地を使うことで時間が経っても油っぽくならずパリパリしている。

 クラフトビールのお店は増えてきたけれど、ビストロの技が詰まった本格的な料理と楽しめるところはなかなかない。10月中に今年収穫したホップを使ったビールの提供が始まるらしい。とれたてを味わいに行こう。

4種のビール
左からピルスナー、ペールエール、ホワイト、スタウト。各¥800 ピルスナーは唯一のラガーで最もホップが感じられる。ペールエールはイギリスのエールをイメージして作られており、程よいビター感。ホワイトはコリアンダーやオレンジピールが入っておりフルーティー。スタウトはドライでライトな黒ビールでコーヒーのような深みがある。
『カノンブルーイング』店内
カウンター7席。店の奥に醸造所が併設されている。

インフォメーション

『カノンブルーイング』店内

カノンブルーイング

8月29日プレオープン。10月中にグランドオープンする予定。お店に立つのは山梨県北杜市でホップ栽培を行う小林麻美さん。

◯東京都世田谷区代沢4-27-10-1F 17:00〜23:00

Instagram
https://www.instagram.com/canon.brewing/