フード

新旧のイギリス料理が味わえる中目黒の『SWAN & LION』で大きなポットパイをシェア。

9月はこんなお店に行ってきた。

2024年9月29日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルして行きやすくなったお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

シェアリングポットパイ¥3,300 マッシュポテトと季節の野菜のローストが添えられている。ジンの本場、ロンドンで作られた「シップスミス」をエルダーフラワートニックで割ったジントニック¥1,300

 イギリス料理と聞くとフィッシュ&チップスやイングリッシュ・ブレックファストが真っ先に頭に浮かぶが、8月に中目黒にできた『SWAN & LION』は“その先“を教えてくれるイギリス料理店だ。

 イギリス出身のオーナー、イアン・ギビンスさんは2015年から市ヶ谷でパイ、スコーン、ジャムなどの販売をしており、かねてからの夢だったガストロパブをオープン。ガーキングレイビーをかけたソーセージ、パイ&マッシュなど伝統的なメニューもあれば、フムスをディップした野菜、爽やかなビーツと山わさびが効いた焼き鯖、チャツネを添えた醤油出汁のフライドチキンなどモダンなオリジナル料理も。中東やアジアの食文化の影響を受けたものが多く、イギリス料理の幅広さがよくわかる。

 ミートパイ、コテージパイ、コールドポークパイなどパイ料理は特に種類豊富で、なかでもおすすめなのがシェアして食べるポットパイ。中身は日替わりで、この日はビーフシチューだった。オーブンで2時間じっくり焼いてから煮込んでいるためお肉はほろほろで、隠し味に味噌や醤油を入れており日本人も大好きな味。日本ではあまり食べられないが、器にパイ生地を被せるだけだから小さなパイよりも気軽に作れてイギリスでは日常的に登場する献立だ。マッシュポテトと季節の野菜のローストも添えられていて、肉も野菜もバランス良く摂れるのが嬉しい。

 伝統を残しつつ、実は各国のエッセンスも加わった目新しい料理も多いと知って、すっかりイギリス料理の虜になった。

イアン・ギビンスさんと山本貴緒さんご夫婦。イアンさんはオーストラリアに住んでいたことがあり、店名にもいれるほどオーストラリアンフットボールチーム「シドニースワンズ」の大ファン。

ロンドンで設立された「フィーバーツリー」のトニックウォーター。トニックウォーターをこだわってこそ美味しい一杯ができあがる。

インフォメーション

新旧のイギリス料理が味わえる中目黒の『SWAN & LION』で大きなポットパイをシェア。

SWAN & LION Modern British Pub

2024年8月6日オープン。「ブリュードッグ」や「ギネス」のビール、「シェピーズ」のクラフトサイダーなどイギリスでよく飲まれるお酒も多く取り揃える。インドカレーをアレンジしたブリティッシュカレーをランチ限定で提供しており、バーミンガム発祥のチキンバルティやビーフビンダルーなど本格的。

○東京都目黒区上目黒2-16-14 ☎︎03・6884・3448 平日11:00〜16:00、17:00〜23:00 土日11:00〜23:00 月休

Instagram
https://www.instagram.com/swanliontokyo