ライフスタイル

多文化混在、令和のジャパニーズ・スタイル。

かっこいい部屋には、必ずかっこいい一角がある。

2024年2月20日

世界のかっこいい部屋と、その秘密。


photo: Hiroshi Nakamura
text: Shintaro Kawabe
2024年3月 923号初出

和室
様子が大きく変わらないように、ものを置く場所もコロコロ変えずに、同じものをそのままの位置にとどまらせておくようにしている。あるとないとでは印象がグンと変わる丸いミラーは、鏡かと思いきや、パリの蚤の市で購入したトレー。踏み台に立て掛けられているパブロ・ピカソのポストカードもポップ。

 フランスと日本のミックスの夫妻、アレキサンドル(通称アレックス)さんと彩さんが暮らすのは和なお部屋。しっかり床の間もある。でもよく見ると、昭和や平成までなら掛け軸や生花が飾られるところ、門前仲町の蚤の市で見つけた無国籍な猫の絵画や、小道具屋さんで購入した日本の古い踏み台、パリのセレクトショップで見つけた白いワインボトル状の焼き物や陶器など、和洋折衷の古い雑貨たちが同居する。

障子
障子の縁に立てかけているのは、デザインが好きなワインボトルのコースター。それにエンツォ・マーリの花器などを置いている。

「アンティークの家具や器に囲まれて生活していたフランス人の祖母の影響から、この床の間を中心に我が家には古いものばかりです。配置にこだわりはなくて、スペースにパッと置いただけ。それくらいラフなレイアウトのほうが、飾り気が大袈裟すぎなくていいと思っていて。もちろん掃除はこまめにしますが、埃が少しかぶっているくらいのほうが味も出ると思うんです(笑)」と話す彩さん。

 一方のアレックスさんは、「もののチョイスはほぼ彩だけど、畳がすぐそばにあるスペースなのでこれくらいものが少ないほうが落ち着くんです。それに築40年の物件なので、ヴィンテージ品がこの空間には馴染むと思っていて」とお気に入りの様子。東北沢の古家具屋さん『アンティーク山本商店』で買ったちゃぶ台も、メルカリで買ったラタンの椅子も、床の間の色合いと合わせるように選んでいる。いろんな文化が混在する、まさに令和のジャパニーズ・スタイルだ。

プロフィール

デュラン・アレキサンドル

デュラン・アレキサンドル

IT企業に勤める会社員。

プロフィール

クヴァジエ・彩

クヴァジエ・彩

日本とフランスにルーツを持つ陶芸家。作品は『Esmeralda Serviced Department』などで販売中。