フード

フランスのじゃがいも”だけ”料理、ポムパイヤソン。

どのみち毎日食べるから。Vol.17

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2024年10月20日

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第十七回は、フランスで親しまれる究極の”だけ”料理、ポムパイヤソン。

「本当に、ただじゃがいもを焼くだけの料理です」(土井光)

MEMO

材料はじゃがいも2個、塩、バター。そして、仕上げ用の胡椒。

じゃがいもの皮を剥く。芽は苦いのでピーラーの端についている突起でくり抜き、取り除く。

スライサーでじゃがいもをスライス。怪我をしないようにじゃがいもが小さくなってきたら無理をせず、包丁で薄く切る。

塩をひとつまみ。塩加減はお好みで。

バターを溶かす。

バターを溶かしているあいだにじゃがいもを混ぜて塩を馴染ませる。

フライパンにじゃがいもを敷き詰め、平らにする。ゆっくりと火を入れていく。

底に焼き目が付いてきていると感じたら、端からバターを加える。たくさん入れるとカリッと仕上がる。

思い切ってひっくり返す。半分くらいは火が通っているので、触らずにそのまま5分ほど焼く。

盛り付ける。

完成!

POPEYE

ポムパイヤソン。フランス語で訳すと、じゃがいもの藁の敷物といった意味だそうで、そんな洒落たネーミングとは裏腹に作り方は過去一シンプル。じゃがいもをスライスして塩を振ってバターで焼くだけ。ただ何もいれていないからこそ、じゃがいもから滲み出る澱粉の優しいしっとり感を味わうことができるのと、じゃがいもの甘味をダイレクトに感じられる。おいしいじゃがいもを手に入れて「揚げるのも茹でるのも面倒だ」ってときにこの選択肢があると心強い。

プロフィール

フランスのじゃがいも”だけ”料理、ポムパイヤソン。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

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