TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#2】誰でも数学でワクワクできる機会を届ける/積み木の数の数学クイズ

執筆:横山明日希

2024年9月18日

あなたは子供のころ、どんな遊びをしていましたか?

外でサッカーをしたり砂場で遊んだりという記憶がある人もいれば、家でゲームやおもちゃでもくもくと遊んだという記憶が強く残っている人もいるでしょう。

僕自身、外で山の中を探索して遊んだりした記憶もありますし、ひたすらドミノ状の積み木で色々なカタチを作って遊んでいた記憶があります。

シンプルなおもちゃを使って様々な遊びを自分で見つける、というのが大好きでした。このような、自分で遊びを見つける経験は今の僕自身の数学との向き合い方にも繋がっている気がしています。

さて、ということで今回はそんなシンプルなおもちゃ、積み木を使った数学クイズです。

写真のような立方体状の積み木を使って、さらに大きな立方体の形を作ります。まずは問題の意味を理解するために簡単な例からということで…写真のように積み上げてナナメから見た時、見える立方体の数と見えない立方体の数はそれぞれいくつでしょうか?

1方向に2個ずつ積んで立方体を作っているので、合計8個の積み木で構成されています。見えている積み木は数えれば7個とわかりますので、見える立方体は7個、見えない立方体は残りの1個とわかります。

では、改めて問題です。先ほどの場合は1方向に2個ずつでしたが、もし1方向に4個ずつ並べて立方体を作って先ほどと同じようにナナメから見た時、いくつの立方体が見えるでしょうか?

ぜひ頭で想像して取り組んでほしい数学クイズですが、写真も用意していますので実際に見ながら考えたい人は写真を参考にしてみてください。

もちろん数えれば答えを求めることはできます。でも、もう少しなにか効率がよい方法はないでしょうか?

ちなみに全部で4×4×4=64個ありますが…見えている積み木は全部の数と比べるとわりと少なそうですね。

では、正解発表です。
こんな考え方をしてみましょう。見えている積み木を数えるのではなく、見えていない積み木を数えてみます。

見えていない積み木は写真のとおり、紫の積み木の部分です。この紫の積み木はどんな形で並んでいるでしょうか。

そう、このように1方向に3つずつ並んだ、これもまた立方体になっています。つまり見えていない紫の積み木は3×3×3=27個、これを全体から引くと…
64-27=37

ということで、答えは37個になります。

言われてしまえばシンプルな発想かもしれませんが、こういう「逆を考える」という発想、とても大切な発想です。ぜひ、普段の生活でもこんな発想で世の中を見てもらうと…また違った見方ができるかもしれませんね。

では、また次の数学クイズでお会いしましょう。

プロフィール

横山明日希

よこやま・あすき|株式会社math channel代表。老若男女問わず幅広く数学・算数の楽しさを伝える「数学のお兄さん」として活動。公益財団法人日本数学検定協会認定幼児さんすうシニアインストラクター。2024年6月よりNHK Eテレ「3か月でマスターする数学」に出演中。

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