カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.34

写真・文/久山宗成 a.k.a. Donald

2024年12月31日

photo & text: Muneaki Kuyama a.k.a. Donald
edit: Yukako Kazuno

年内最後のGEEK WATCH連載は、東久留米にある改造モデルハウスからお送りいたします。今回お送りするのはなんと! ラジオ機能付き腕時計。1980年代に発売され、ごく僅かな年数しか販売されなかった「時代のあだ花」保護活動レポートです。

こちらは1982年に発売の〈CITIZEN VEGA〉製の「ラジオボーイ」。専用イヤホンを接続するだけで、AM専用(530〜1600KHz)ラジオを聴くことが可能。このガジェット感はワクワクしますね🎵 FMはなく、AMのみという硬派さもまた魅力。

香港製ながらデザインとヘッドフォンのレイドバック感もたまらない!

1981年〈Armitron〉製はいかにも80Sなヘッドフォンをジャックに差して使います。ラジオ受信時にLEDが光ったりするガジェット感もたまりません。

ご存知〈ヒステリックグラマー〉もラジオ機能付き腕時計を販売していました。こちらは年代が推定90年代と比較的新しいためFM受信が可能です。

ラジオ機能付き腕時計のあるあるで付属のヘッドフォンが故障しているケースが多い。そこでヴィンテージのぬいぐるみを改造してオリジナルのヘッドフォンを製作してみました。装着するとこんな感じです。

そして、さらに! 悪ノリでラジオ機能付き腕時計のジャックを差し込めば爆音でラジオも聞けるソファー型スピーカーも製作してみました。

どうせ作るなら、と手抜きなしで製作。ベース素材の協力を頂いたのは〈REMARE社〉。こちらの会社のプラスチック再生材を使用することにより、音の正体である振動を身体全体で直接感じられるのが特徴。リサイクル材の特性を活かし、音響効果を高めたデザインとなっています。

再生材とは思えない美しい佇まいに仕上がりました。そして、さらに驚きの仕掛けを🎵 ソファーを倒すと、パーティーチューンの暴力的なパワーのウーハーが出現します。ラジオを爆音で聴きたいという妄想にお付き合い頂いた製作関係者の皆様有り難うございました。

ラジオ付き腕時計は故障しているものが多く、稼働品を見つけることが年々難しくなっている絶滅危惧種。GEEK WATCH LOVERの皆様には稼働品を見つけたら早めに確保することをオススメします🎵。来年はいよいよGEEK WATCH図鑑の実現に向けて本格始動スタート。BIG NEWSをお届けできるように頑張ります。

【海洋ゴミアップサイクル・ソファースピーカー】
企画 : Kuyama”DONALD”Muneaki 音響システム:パードン木村 製作 : 鈴木暁生(bibariki) 廃プラスチックアップサイクル素材協力 REMARE 製作協力 : STRUCTURE SURVIVE 写真 : Takeshi Uematsu

プロフィール

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.34

久山宗成 a.k.a. Donald

くやま・むねあき | 改造活動家、企画編集者、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、2014年より改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を編集中。

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