フード

兄が作ったやちむんでサーブする荻窪の沖縄そば専門店『間借り沖縄そば』。

10月はこんなお店に行ってきた。

2024年10月29日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルして行きやすくなったお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

三枚肉そば¥900 豊見城市にある『亀浜製麺所』の麺を使用。じゅーしいご飯¥200

 麺でお腹を満たしたいけれどラーメンだと少し重たいと思ったときに食べたくなる沖縄そば。都内ではなかなか専門店が見つからないから日々探していたところ、荻窪駅北口すぐの居酒屋でランチタイムだけ営業している沖縄そば専門店『間借り沖縄そば』を見つけた。

 沖縄出身の方が営んでいるのかと思いきや、店主の神谷悠雅さんは東京出身。沖縄そば屋を始めようと決心したのは、お兄さんが10年前に読谷村に移住し、やちむん作家になったことがきっかけ。兄が作った器で大好きな麺類を提供したいと考え、神谷さんも3年前に那覇へ。2軒の沖縄そば屋で修行し、今年の1月に東京に戻り7月から営業をスタートした。

 そばを作る上で一番こだわっているのは無化調の出汁。ベースの豚骨とかつお節に、鶏ガラ、煮干し、昆布を加え、3、4時間煮た出汁からはかつお節のいい香りが漂う。具材はほろほろの三枚肉とねぎのみで、あっさり食べられるのが嬉しい。せっかく来たならば、炊き込みご飯のじゅーしーも合わせて必ず頼もう。細かくした三枚肉や軟骨ソーキ、昆布、にんじん、ひじき、椎茸が入っており具沢山で、そばと同じ出汁の味が染みていて優しい味わいだった。

 満足感がありつつ胃もたれしないから仕事の合間の昼食にもぴったりな沖縄そば。丁寧に作られた一杯をやちむんのお椀でいただけば、兄弟の手作業の温かさが感じられて30分弱のランチが心休まる時間になるはずだ。

西洋式薪窯を使い高温で短時間に焼き上げられた器は光沢があり丈夫。上から3つが神谷さんのお兄さんの作品。

神谷さんは無類の麺好き。撮影時もメルカリで見つけたラーメンのTシャツを着ていた。

インフォメーション

兄が作ったやちむんでサーブする荻窪の沖縄そば専門店『間借り沖縄そば』。

間借り沖縄そば

2024年7月9日オープン。荻窪駅北口徒歩2分の21年続く居酒屋『寄港地』を間借りして営業中。定番の三枚肉そばの他に、7,8時間煮込み骨までぷるぷるの軟骨ソーキそばや、器の直径ギリギリの大きな肉がのったドデカ三枚肉そばがある。

○東京都杉並区上荻1-4-10  10:30〜15:00(14:30L.O) 土、日、月休

Instagram
https://www.instagram.com/okinawasobaya/