カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.26

実体顕微鏡

2023年8月3日

text & edit: Shogo Kawabata
photo: Akira Yamaguchi
2023年8月 916号初出

ミクロの世界にそのまま没入できる顕微鏡。

ライカ マイクロシステムズの実体顕微鏡
38°の鏡筒角度で、長時間でも快適な作業ができるようデザインされた双眼実体顕微鏡。46㎜の広い視野径と13.6㎜の焦点深度を誇る。倍率は5x〜30x。フレックスアームが付属するA60 Fと上下動できるスイングアームが付属するA60 Sの2タイプがある。¥289,300※2023年6月時点(ライカ マイクロシステムズ☎03·6758·5656)

 観察する対象をスライスしてプレパラートにせずとも、立体物をそのままの状態で観察できる「実体顕微鏡」。なかでも両目でのぞく「双眼実体顕微鏡」は対物レンズと接眼レンズが双眼となっており、対象物を立体的に見ることができる。精密な電子部品の生産や、医療現場で使われる他、宝飾品の製作や鑑定などでも使われているものだ。

 このLEICA A60 Fはフレックスアームが付いており、対象物を動かさずに顕微鏡のほうを動かして観察できることから、壊れやすい鉱物や昆虫の標本を扱う現場などでも愛用されており、これまでの取材先でもよく見かけてきた双眼実体顕微鏡だ。視野径も広く、リングライト照明も搭載されており非常に観察しやすく、業務目的でなく、個人的な趣味で使うにも理想的。プロダクトとしても美しく、ちょっと贅沢な趣味の道具として自分の机上に取り付けたくなる魅力がある。