フード

ポチャ文化を体験だ。

2023年6月16日

SEOUL CITY GUIDE


photo: Naoto Date
coordination: Hyojeong Choi(TANO International)
text: POPEYE
2023年7月 915号初出

 さてここまで色々食べてきたが、韓国に来たからには「ポチャ」に行かなければならない。韓国ドラマでもよく目にするビニールシートに囲まれた居酒屋のことで、パク・セロイの「今日の酒は甘い」を新大久保で真似したこともありますが、本場でソジュをクッと飲みたいと願って3年。ようやく夢が叶った。韓国人のリアルなポチャの楽しみ方を見せてくれたのは、食べるのも飲むのも大好きな20代のシェフ3人組。彼らの行きつけの『梨花ポチャ』で飲みはじめると、見たことのないポチャ流儀が次から次へと繰り出してきた。まずはビールとソジュを冷蔵庫から持ち出し、華麗な手首のスナップで瓶を回し、肘でコンコン。え、なにそれ? 聞く暇もなく「美味しくな~れ、美味しくな~れ♪ 萌え萌えキュン♡」と77ページにも登場するYouTuberタナカの真似をしながらソジュとビールを3:7の割合で割った「ソメク」が作られた。「チャン!」と乾杯。とここまで体感2分。早い! そして次々運ばれてくるポチャフード。食べて飲んで食べて飲んで、ペース速! 「ポチャはさあ、男同士で来るのが楽しいんだよ。テレビから切ないラブソングが流れてるでしょ? 失恋したときに友達と飲んで泣くんだよ。男なら早く食べて早く帰る!」と明日も仕事があるという彼らはしっかりした足取りで帰宅した。テーバ(マジで)、かっこいい。今日の酒は甘いなあ。カムサハムニダ、ポチャ!

ポチャフード

1. 砂肝、チュモッパ

まずは砂肝(₩20,000)を焼いてごま油と塩胡椒にダイブ。
米、韓国海苔、塩、マヨ、ごま油を自分で混ぜて丸めて食べるチュモッパ(₩3,000)も定番。

2. 鍋の3段階活用

鶏肉、野菜、トッポギを辛い味付けで煮込んだ「タットリタン」(₩29,000)は鍋でドン! これだけでかなり腹パンなのに、具を食べた後は袋ラーメンでシメ。と思いきや麺を食べた後はご飯を入れて2回目のシメのポックンパ(チャーハン)! もう満腹だよ~

3. シメのフルーツ

しこたま飲んだ後はシロップ漬けのブドウ缶。お口直しに丁度良き。皮むきブドウ₩12,000

ポチャ流儀

1. 振る、たたく、混ぜる。

ソジュの瓶を回転させて中に渦を作り、底を肘でコツン。この行為は昔のソジュは底に沈殿物があったから振っていた名残らしいが今はただの宴会芸。
グラスに箸を入れてカーンってやるのもお決まり。

2. カンパイは何度でも。

1杯目に限らず韓国人は何度でも乾杯する。乾杯のきっかけはなんだっていいらしい。韓国では手酌をさせるのは年齢関係なく失礼とされているらしいので、グラスが空いたらついであげるのがマナー。

3. 二日酔い対策は忘れない。

韓国で大定番の二日酔い防止サプリ「コンディション」。最近の流行りはリンゴ味のゼリータイプ。チューッと吸って、酔いは明日に持ち越さない! コンビニで1+1(1個買うと1個無料)で売ってるよ。

4. ラクガキする。

壁一面の落書きもポチャならではの風景。店員さんがペンを貸してくれるので自分たちの名前や思い出を今日の日付と共に刻もう。ハンギョルくんがハングルで「ポパイ♡」と書いてくれた。いい記念!

インフォメーション

梨花ポチャ イファポチャ 이화포차

今回行った大学路(テハンノ)の近くの『梨花ポチャ』は夕方5時から早朝4時までやっていて、近所に住む人に愛されるローカル感強めの雰囲気もまた楽しい。ソウルの街のどこにでもポチャはあるから、2軒目どうするってときにマップに「포차」と入力して行ってみてほしい。メニューはどれもリーズナブルで、1人2万~3万ウォンくらいで十分楽しめる。

◯鍾路区栗谷路14ギル18/18, Yulgok-ro 14-gil, Jongno-gu 17:00〜4:00 日休

Instagram
https://www.instagram.com/ihwapocha/