好評発売中!
ムック本『TOKYO EAT-UP GUIDE -第3弾- 』から、
行けるようになったら行きたい
6軒の居酒屋夜ご飯をウェブでも少しご紹介!
①川勢

「東京っぽいものを食べながらお酒が飲みたい!」。外国から来た友達にそう頼まれたら、迷わず鰻屋に連れていく。鰻は寿司、天ぷらと並んで“江戸のファストフード”と呼ばれていたくらい、長いこと庶民に愛されてきたからだ。荻窪にある『川勢』は雰囲気がジャパニーズ・オールドスクールだし、値段も高くないから、ハングアウトにうってつけ。鰻の身から肝まで串で食べながら、日本酒をチビチビやる。でもって、シメにうな重をかき込む。これぞ、正しい東京の夜の過ごし方。
②酒呑気まるこ

「渋谷ってチープなチェーン店ばっかりで意外といい飲み屋がない。だから結局、中目黒とか三軒茶屋に行っちゃう」とシタリ顔で嘆いている君に伝えたい。「いやいや、『まるこ』があるじゃないか」と。なにしろここ、“渋谷区No.1”と断言したくなるほど魚介が旨い。お店の壁には一生かけても食い切れないんじゃないかって数の短冊型のメニューが貼られているんだけど、ぜひもんで食べてほしいのが高知県は宿毛の漁港から取り寄せるというカツオのわら焼き。このクオリティで715円!
③山利㐂

東京都現代美術館で展示を見た後、いつも思う。「どこでこの感動をツマミに酒を飲めばいいんだ?」って。実際、近辺には酒を飲めるお店があんまりない。ってなわけで、ひと駅ほど足を延ばしてみたら、森下に非常に具合のいい居酒屋があった。大正14年から続く『山利㐂』だ。いい感じにひなびた佇まいなんだけど、豚肉と鳥レバーのテリーヌ(¥990)があったり、メニューが何かとフレンチっぽくて洒落ている。ヨーロッパの現代アートを見た後なんかぴったりじゃないか。
④甚六

代々木公園をぶらついた夕暮れ時、解散するには心寂しい、なんて日にうってつけの居酒屋が『甚六』だ。春菊とちくわのナムル(¥700)とか、いか団子(¥700)とか、他じゃなかなかお目にかかれないオリジナリティ溢れるツマミが充実しているんだけど、なかでも“食べ逃し厳禁”なのが卵のいなり揚げ(¥660)。油揚げと半熟ゆで卵のコンビネーションが最高で、僕の胃袋の中に住まう“ビールがススム君”が覚醒しちゃいました。
⑤たん焼 忍

牛たんといったら、焼き肉屋で大盛りのライスと一緒に食べるモノ。未成年なら、誰だってそう思い込んでいるはず。育ち盛りなんだから当然だけど、お酒が飲めるようになったら四谷の『たん焼 忍』に行ってみてほしい。でもって、たん焼(¥1,250)、ゆでたん(¥1,150)を食べてみてほしい。まるで、ジョン&ヨーコ並みにビールとの相性がバッチグーだから。もしかしたら“大人になる”っていうのは、“牛たんをライスなしで食べられるようになる”ってことなのかも。
⑥肉のまえかわ

『肉のまえかわ』は戦後間もなく肉屋さんとしてオープンした。だけど、35年くらい前に店先で焼き鳥を売り始めたことから、変化が生じる。「お酒も売ってくれ」という注文が後を絶たなかったからだ。そんなこんなでどんどん“飲酒スペース”が拡大し、いつしか内装は肉屋さんのまま、立ち飲み屋的なアリサマに。今も肉は売っているけど、大半のお客のお目当ては酒。16時の開店とともにスーツ姿の先輩たちで溢れ、独特のグルーブ感を醸し出す。都心からは少し遠いけど、足を運ぶ価値あり。