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【#2】我が引越し記 – 取か?捨か? – その②

2022年10月21日

引っ越し日が迫ってきた。

案の定、部屋の中は「取か?捨か?」取捨選択を決めかねたまま放置された物で溢れかえり途方に暮れている。「手に取ってトキメキがないものは捨ててよし」とするメソッドがあるが、実際は手に取ってトキメキがなくても「なんか捨ておけぬ!」という物が大半だ。

以下に紹介する本も、これまで何度か手放そうか悩んでは「捨ておけぬ!」と残してきたものだ。本棚に置いておいて格好がつく本でもないが、なぜか手放せない。そして今回も共に新居へ連れて行くことになりそうだ。

『素顔の寂聴さん Private JAKUCHOU』

これは寂聴さんの専属カメラマンが撮った「プライベートな寂聴さん」満載の写真集。《プレゼントでもらったジーンズを履いてご機嫌の寂聴さん》、《子供のような笑顔でソフトクリームを食べる寂聴さん》等々、本当に素な感じの寂聴さんがたくさん載っている。寂聴ファンにはたまらない写真集だが、私はとくに寂聴さんのことは好きでも嫌いでもない。たまたま古本屋で見かけてネタ半分で買ったものだが、引っ越しの度にもう手放そうかとページを開いては、寂聴さんの“いい写真”にニコニコしてしまう自分がいる。折しも寂聴さんが亡くなられたことでますます手放し難くなってしまった。

『ハッピースピリット 紀香魂』

何を隠そう私は藤原紀香と同じ誕生日だ。だから星占いでは基本紀香と同じ運勢だし、その日のランキングやラッキーアイテムも同じなわけで、私は勝手に親近感をいだいている。そして紀香魂にあやかりたいと思っている。この本はお笑い芸人の陣内智則との結婚後に出されたエッセイ本で、陣内との出会いから結婚までが綴られており、今読むとなかなか味わい深い。目次だけ見ても「連れてこられた宇宙人」「彼に届けたサムゲタン」「電話がなかった二日間」などいちいちグッとくる。この本も引越しのたびに取捨選択に悩むが、手放してしまったら私の中の紀香魂まで消えてしまうような気がして手放せない。

ちなみに紀香が陣内との結婚式で使った音楽を集めたアルバム『Norika Wedding Style』もネットで見つけて買ってしまった。これも一曲一曲に紀香コメントが書いてあってなんだかとても良くて捨ておけぬ。

そんなわけで次回も「捨ておけぬ」物をいくつか紹介したいと思います。

プロフィール

死後くん

1977年、愛知県生まれ。イラストレーター、漫画家。本誌POPEYEの巻末漫画『ジョン&ポール』、絵本『ぽんちうた』(ブロンズ新社)、漫画『I My モコちゃん』、NHK総合『おやすみ日本』の「眠いい昔話」コーナー、『失敗図鑑』(大野正人著/文響社)、絵本『ごろうのおみせ』(ごろう作/岩崎書店)ほか、紙媒体を初め、様々な媒体で活躍中。

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