From Editors

気づけば、また“アメカジ”を着ている。

NO.950

2026年5月8日

今日は早朝から山梨へロケ撮影に行って来ました。忙しなく時間が過ぎる撮影の日は、ファッションというより実用性重視になることが多いです。

〈NEW BALANCE〉の機能的なTシャツに、パンツは〈NIKE ACG〉。朝まで雨予報で、5月でもまだ寒いと聞いていたので、化繊のシャツやフリースを重ねて、最後に〈THE NORTH FACE〉のマウンテンパーカを羽織って出てきました。自分の中で、実用的でカッコいい服ってやっぱり、アメリカ生まれのものなんです。

昨年夏の特集「サマーボーイと夏の島。」で西表島と、与那国島に取材に行かせていただいた時に購入した「Smith Summit」。はいた時の形が綺麗で、ジップで裾が着脱可能で、ショートパンツにも早変わりする便利な一本。

〈THE NORTH FACE〉アメリカ企画の「1994 Retro Mountain Light Jacket」。現行モデルとは異なる、90年代当時の切り替えパターンと、独自の防水透湿素材「フューチャーライト」を採用しているのが特徴。マットな質感に品があってお気に入りです。

9つの異なるシルエット展開が売りの「9BOX」。No.2の「Standard short Tee」は首の詰まり具合や、身幅、着丈、肩幅などのパランスが絶妙で、気づけば3年愛用中。二重構造のポリ100%で、高い吸汗機能とUVカット機能も今時期に最適。

なんで好きなのか、その本質についてちゃんと考えたことはありませんでした。実用的でタフな機能美というだけなら、アメリカ生まれのアイテムじゃなくたっていい。でもやっぱり、アメリカものが一番好きなのはなぜなのか。今回の特集は私にとって、その曖昧だった部分をクリアにするものになりました。

改めて、過去と現在の「渋カジ」について考えてみたり、企画「Crafted With Pride in U.S.A.」では、実際にニューヨークやニューイングランドまで足を運んで、まだ続いている“アメリカ製”の現場を旅したり。まだまだ終わりません、「Good Vibes From Americana」では、日本でアメカジが愛されているように、パリやロンドン、ソウルで、どういうふうに受け入れられているのかについて取材したり、そもそも「アメカジとは一体何か?」の核心に迫ってみたり。人によって言うことが違うのも含めて、やっぱりこのテーマは面白いなと実感。とにかくいろんな角度から、”アメカジ”を見てみました。

個人的なハイライトは2つ。一つは、今買えるアメリカ製を集めた「僕らが今欲しいMade in U.S.A. catalog 2026」。正直このご時世、「メイド・イン・USA」のアイテムだけで作り切れるのかは不安でした。でも集めてみると、いまだにアメリカ製を貫く姿勢に感動し、全く知らなかったブランドにも出合って感嘆! 

そしてもう一つは、補佐的に担当した「僕の好きなアメカジ」。実はこの原稿、基本的にご登場いただいた皆さんの自筆原稿なんですよ。だから人が違えば、当然内容もトーンもまるで違う。私物への愛がダイレクトに伝わってくるんです! 26年の1月末に惜しまれつつ閉店した「原宿CASSIDY」の名物店主、八木沢博幸さんからは手書きの原稿をいただいて、それを、胸を熱くしながらテキストとして起こしたので、その点もご着目ください。

この特集を担当したからか、ロケ撮影の前日フラッと立ち寄った阿佐ヶ谷の古着店「yahso」で、メイド・イン・USAのシャツを発見。タグには見たことのない〈CHEVION JEAN CO. USA〉というブランド名が。アメリカの国土面積は日本の約25倍。アメカジにはまだまだ知らないことがあって当然です。これだから、宝探しがやめられない。ゴールデンウィークが終わって、またはじまる日常はちょっぴり憂鬱かも知れないけれど、それならPOPEYEを読んでアメカジのいろんな魅力を知りながら、でっかいアメリカにちょっと思いを馳せてみる、なんていうのはいかがでしょ。

(本誌担当編集)福西翔太