カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.40

写真・文/久山宗成 a.k.a. Donald

2025年7月5日

photo & text: Muneaki Kuyama a.k.a. Donald
edit: Yukako Kazuno

第40回目のGEEK WATCH連載は「これどうやって時間見るの?」腕時計特集です。

バイナリ腕時計と呼ばれるこれらの時計は、通常のアナログやデジタル表示とは異なり、時刻を2進数(=binary)で表示する腕時計を指します。

LEDや液晶などのライトや数字で、二進数の桁を点灯させたり、並べたりして時間を読むという仕組みで、見た目が未来的で時刻を「解読する」パズル感覚の楽しい腕時計です。

1989年にスイス人発明家Rene Linderが発案した世界初のバイナリ腕時計。二進法表示の特許取得済。LCD表示部の金型は日本の第二セイコー社で製作され、ムーブメントの基本設計はオランダのフィリップス社が手掛けた。日本、韓国、台湾、中国で特許申請済で世界限定 10,000個。

世界的に有名なバイナリー時計を多数手掛けている日本のブランド〈SEAHOPE〉(海外ではTOKYO FLASHで知られている)。

「読むのが難しい時計」をコンセプトに様々なバイナリー腕時計を手掛けていてコレクション性が高いのが特徴。一見バイナリ風だが、パターンで時刻を表示する腕時計が多い。

こちらは、2009年にシーホープ社が販売した腕時計。時間表示はなんとグラフ。一見、時間の把握が難しく見えるが、ちゃんと時間を表す「数字」も表記。最大の特徴はフェイスについた光避けガード。見た目のインパクトだけではなく、明るい場所でも液晶が見やすいように付けられていて実用性も有り。

同じくシーホープ社(TOKYO FLASH)が手掛けたRADIO ACTIVE(放射線)測定をコンセプトにした腕時計。

本体右側面上のボタンを押すとLEDが数秒間点滅し(パターン数種有り)時刻を表示。盤面右の縦ゲージで時間(7〜12時の時は左上ライトが点滅)、左下放射能表示マークで10分単位、左上の逆三角形で分を表します。

1998年にドイツのメーカー〈CHAMP〉から発売されたバイナリ腕時計。医療器具用らしく、はしゃいでいないデザインが逆にSFチックですね。丸みを帯びたフォルムもポップでキュートです。

バイナリ腕時計はまだまだ未開のカテゴリー。まだ見ぬ一本が発見できる可能性大なので、皆さま探してみて下さいね。

プロフィール

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.40

久山宗成 a.k.a. Donald

くやま・むねあき | 改造活動家、企画編集者、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、2014年より改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を編集中。

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