フード

自宅ならでは。優しい優しい鶏ラーメン。

どのみち毎日食べるから。Vol.22

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2025年3月31日

発売開始!

自宅ならでは。優しい優しい鶏ラーメン。

『はじめの自炊帳』

連載「どのみち毎日食べるから。」が書籍化!
醤油、塩、砂糖、みりんなど基本の調味料で作る、ずっと飽きないスタンダードな31品を掲載。特別なテクニックも食材も使わず、誰でもとびきりおいしい料理が作れる料理入門書です。

『はじめの自炊帳』

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第二十二回はいつ食べても罪悪感がまったくない自宅で作る鶏ラーメン。

「水炊きの延長で作る、超健康的なラーメンです」(土井光)

MEMO

材料は骨つきの鶏肉、ねぎ、昆布、にんにく。調味料は醤油、ごま油、塩、胡椒。鶏肉は骨つきのほうが良い出汁がでる。

鶏肉に塩をまんべんなく塗り付ける。

出汁が出やすいように骨のまわりに切り込みをいれる。

5分待つ。水気はキッチンペーパーで拭き取る。

水1リットル、鶏肉、昆布、潰したにんにくを皮ごと鍋に入れ、火にかける。

ねぎを切っておく。

灰汁を取る。

40分ほど経ったら味見をする。塩気が足りなければこのタイミングで加える。

どんぶりにごま油、醤油を入れておく。

麺を茹でる。

鶏肉の身をほぐすように包丁で食べやすい大きさに切る。

どんぶりに鶏出汁を加える。

湯切りをした麺をどんぶりに入れる。

ねぎと鶏肉を盛り付けて胡椒を振る。

完成!

POPEYE

カップでも袋でもなく、出汁から作る自宅のラーメンは、刺激や罪悪感を求めて食べるラーメンとは違った表情を見せてくれた。朝起きてすぐイケるくらいとにかく優しい。淡いスープが品よく麺に絡み、ラーメンなのに環境音楽に包まれているかのような静寂が訪れる。この味をスタート地点にして、あとは干し椎茸や干し海老といった出汁が出そうなものをお好みで追加すれば自分なりのラーメンが完成。スーパーで意外と売っている“麺だけ”を楽しめそうだし、そうめんやうどんを入れても絶対に美味しい。このベースの鶏スープを知っておけば色々と遊べそうだ。

プロフィール

自宅ならでは。優しい優しい鶏ラーメン。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。三ツ星レストランや老舗菓子店に勤め、在仏7年後帰国。現在は父である土井善晴の事務所に勤務。大学や調理師学校の講師、コラム執筆、フランスと日本文化をつなぐイベントなど行う。趣味はマラソン。

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