フード

鍋をする感覚で優しいポトフ。

どのみち毎日食べるから。Vol.20

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2025年1月24日

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第二十回は鍋をする感覚で優しいポトフ。

「ハーブやバターを入れたら洋風に。アレンジは無限大です」(土井光)

MEMO

玉ねぎ、にんじん、キャベツなど好みの野菜と素材から味が出るベーコンやウインナーのような加工肉を用意。油揚げも味が出るのでおすすめ。今回は1月なので餅も準備。醤油、酒、塩、胡椒で味付けをする。煮干しは出汁用。

酒1カップ、水3~5カップ、煮干しを鍋に入れる。今回は二人前の分量。

玉ねぎ、ベーコン、油揚げなどを入れる。

残りの具材も適当なサイズに切っていれる。今回は入れていないが葉物のような生で食べられる野菜などは食べるちょっと前にいれる。

にんにくを肉叩きなどで皮ごと潰して加える。皮ごと使うことで洋風な味わいになる。

塩、胡椒を小さじ1加えて、25分程度コトコト煮込む。

仕上げに醤油をひとまわし。

最後に餅を加えて火を通す。

POPEYE

本能的に温かいモノとビタミンを摂りたくなるこの季節。かといって、鍋だとちょっとヘビー。そんなときにぴったりなのがポトフ。想像通り極シンプルな手順で完成する原始的な料理。2人前で塩小さじ1と醤油ひとまわしというかなり控えめな味付けには正直一瞬不安を覚えたが、食べてみると、野菜の旨味とベーコン、ウインナーの塩気がしっかりあって、足りない要素が見つからない完璧な料理だった。餅を入れることで気軽にお雑煮気分を味わえたのも嬉しい。

プロフィール

鍋をする感覚で優しいポトフ。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

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