ライフスタイル

アメリカ帰りの兄弟がオーダーバイクを格安で提供するWEBサービスを考案!?

あの人のあの店で買いたい。Vol.5

2024年5月27日

photo: Koh Akazawa
text: Naoto Matsumura
2020年11月 883号初出

『has GROWN bike』
@世田谷

左が兄の喜郎さん、右が弟の郁郎さん。価値のあるフレームに、新品の消耗品や、ママチャリの中古品までを駆使して安価に、かつカッコよく組んでくれる。

 店、ではなくマンションの一室に設けた作業場。どこよりもリーズナブルに味のある自転車を提供してくれるウェブサービスの拠点だ。SNSを介してオーダーを受けると、小粋なユーズドフレームをeBayなどから探し出し、“ほどほどの”パーツを組み合わせる仕組み。なんと5万円台から作れる。店主は兄・神戸喜郎さんと弟・郁郎さんのブラザーズ。兄がNYでこのビジネスをスタートし、弟も後に現地で参加。「住んでいたブロンクスは良い自転車だと盗まれる。フレームだけ力を入れて、あとはある程度でいいって思ったんです。これが仲間うちにウケて、いくつかオーダーを受けるようになりました。儲かるかどうかより、クールなバイクに乗る人を増やして文化を創りたい」とお兄さん。正直めちゃくちゃありがたい!

錆びたチェーンなどは致し方ないが、ゴミを出さないよう極力パーツを再利用するというマインドも良い。

本業は映像クリエイターの弟・郁郎さん。「ハズグロウンバイク」での主な仕事は、中古品を美しく磨く作業。タイヤのテープ跡を剥がす作業で、親指の指紋がなくなるみたいだ!

1. ARAYA / UNKNOWN

オークションサイトで手に入れた〈アラヤ〉のクロモリフレームを使ってカスタム。元はツーリングを目的にして作られているロードバイクだが、ユーズドや、ノーブランドのパーツを駆使して、コスパ重視の仕様に。シングルギアで日常使いなら快適だし、できるだけ軽めにしているから持ち運びも楽。街乗りにうってつけ! ¥60,000

2. PINARELLO / UNKNOWN

フレームはイタリアのロードバイクメーカー〈ピナレロ〉のもので、〈コルナゴ〉のカーボンフォークを使用。スポーティで素人にはハードルが高そうだがアップハンドル(乗車姿勢が起きるので楽に走れる)にするなど、あくまでプロ仕様ではなく、街乗りに。とはいえギア変速付きだから坂道にも対応できる! ¥100,000

3. EDDY MERCKX / UNKNOWN

ベルギー出身、史上最強のロードレース選手と呼ばれるエディ・メルクスにより設立されたレーシングバイクメーカーのフレーム。こちらは兄・喜郎さんが日本に帰国後に製作して乗っているもので、少し贅沢なパーツを組み合わせている。値段をつけるなら10万円前後。予算次第でパーツを安価なメーカーのものに替える。参考商品

インフォメーション

アメリカ帰りの兄弟がオーダーバイクを格安で提供するWEBサービスを考案!?

has GROWN bike

2015年にニューヨークで始めた自転車カスタムサービス。海外オークションやリサイクルストアから、ハイ&ローな部品を集めて一台を作ってくれる。カスタム=高額という概念をなくして、5万円台から依頼ができる。

◯hasgrownbike@gmail.com 

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