カルチャー
【#3】おもいッきりHON!
執筆: 〈commune Press〉
2023年10月27日
photo: Shuichi, Antwan Horfee
text: Miyuki, Shuichi
edit: Eri Machida
本誌POPEYE「本をめぐる冒険」で私たちが担当したコーナー をさらに深堀り。作り手の趣味、嗜好を知ることで、より理解を深めるべく、お届けする「おもいッきりHON!」。
3回目の今日はフランス パリと言えばこの人! アーティスト Antwan Horfeeのおすすめアートブックを紹介していきます。
今年3月にgallery communeでの新作zineローンチショー開催にあわせて来日していたAntwan。世界中どこへ行っても本やおもちゃの蒐集はやめられない…そんな生粋のディガー、おすすめの本とは…?
“これはアールデコ時代から1980年代の斬新なものに至るまで、電話デザインの歴史が詰まった、本当に大好きな本なんだ!これまで色々なものをコレクションしてきたけど、まだまだ満たされなくて、こういったタイプの本からもインスピレーションを受けてるんだ。この本に掲載されている電話は、どれも形が独特でオリジナリティに溢れているから、アート作品を制作する上で、すごく参考になっているよ。”
“次は、何百色もの色を使った超精巧なペインティングで知られるアーティスト Peter Saulのスケッチを収録したリソzine。彼のプロセスのベータ版を覗くことができるのは素晴らしい体験だよ。本人の直筆サイン入りだし、今やレアものなんだぜ。”
“最後は去年プレゼントでもらった、この本。これは1930年代に闇夜に紛れてイギリス ケンブリッジの大学や町の建物をよじ登る若者たちを記録したものでさ。おそらく彼らは非常に強い美学をもってフリークライミングを写真に記録した先駆者なんじゃないかな。ゴシック建築の正面に静止しているダイナミックな人物なんて、これまでに見たことがないしね(笑)。この種の行動としては早かっただろうし、都市冒険家のパイオニアのような存在を発見できて嬉しいよ。自分はまさに、こういうスリリングな感じをパリの生活に毎日求めているんだけどね…ヴァイタリティあふれる感じがいいよな!”
実にAntwanらしい、多岐に渡るセレクトでしたね。次回はあの人が登場です。お楽しみに。おもいッきり、HON!
インフォメーション
アントワン・オルフィー
1983年、パリ生まれ。国立高等美術学校「エコール・デ・ボザール」で学ぶ。グラフィティの世界で頭角を現し、カリスマ的存在へ。現在は抽象芸術、タトゥーカルチャーやヴィンテージコミックから影響を受けた熱量のある作品を制作。
プロフィール
commune Press
コミューン・プレス|2009年に下北沢で設立した『gallery commune』の出版レーベル(現在の所在地は東京・幡ヶ谷)。各国のアートブックフェアへの出展の他、国内外の展示のキュレーション、アーティストのマネジメントを手掛ける。
○東京都渋谷区西原1-18-17 ☎なし 14:00~18:00、土・祝13:00~ 日・月休+不定休
Instagram
https://www.instagram.com/ccommunee/
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