本誌POPEYE「本をめぐる冒険」で私たちが担当したコーナー をさらに深堀り。作り手の趣味、嗜好を知ることで、より理解を深めるべく、お届けする「おもいッきりHON!」。今週はサンフランシスコ オークランドのアート&スケートシーンを牽引するUnityの二人のおすすめアートブックを紹介していきます。

私たちがこの夏に参加したLAとサンフランシスコのアートブックフェアでも一緒だった彼ら。休みがあったらずっとスケートをしていたいジェフリー・チャンと、家具や電化製品を探しに行きたいガブリエル・ラミレスのおすすめ本とは…？

“まずはじめはお気に入りのアーティストの一人、フィラデルフィア出身のジョナサンのアートブックだね。本当に美しい作品を作り続けててさ。ドローイングが好きで、特に線の使い方に惹かれるんだ。この本は、流動的な愛を通して黒人の身体を表現したペインティング、ドローイング、文章をまとめたもので、最高の一冊なんだ。幸運にもジョナサンが僕たちのスケートカンパニー〈THERE Skateboards〉のためにグラフィックを描いてくれたんだよ。これまでリリースした中で最も気に入っているものの一つなんだ！”

“ドーラはアーティストであり、DJであり、パリのクィア・シーンやアンダーグラウンド・シーンの重要人物で、自宅や旅先での生活をずっと写真に収めていたんだ。彼女は身近な人だけでなく、多くの人々に影響を与え、今でも評価される素晴らしい写真アーカイヴを残したんだ。数年前に彼女が他界した後、友人たちが彼女を偲び、彼女の作品を整理してzineとして出版。各出版物には、ドーラと親しかった友人、知人らによって厳選された写真が収められているよ。”

“最後はThe Skate Witches。これはShari WhiteとKristen Ebelingが運営する女性やクィア、トランスのスケーターを中心としたスケートzineでね。スケートボードメディアでトランスジェンダーが全然紹介されていなかった頃、彼女たちは最も活発に活動していたんだ。zineはゼロックスのコピー機で印刷されたクラシックなモノクロで、何年もこの形でプロジェクトを続けていたんだよ。ちなみに彼らの新しいプロジェクト Mess Skate Magも絶対チェックだよ！”

実にジェフとガブらしい、緩さの中にも芯の通ったアツいセレクトでした。次回はあの人たちが登場です。お楽しみに。おもいッきり、HON!