フード

モロッカンデリのテイクアウト専門店、代々木上原『darna』でタジンランチ。

8月はこんなお店に行ってきた。

2023年8月29日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルしたお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

ランチボックスとサラダとミントティー
平日限定(11:00~16:00)のランチボックス¥1,100 「牛肉と揚げなすのタジン」にサフランライス、付け合わせは「バコーラ」という蒸したほうれん草をオリーブオイルと塩レモンとスパイスで味付けしたサラダ。トマトやきゅうり、赤玉ねぎ、パクチーが入ったフレッシュなモロッカンサラダ¥380、アイスモロッカンミントティー¥500(アイスは夏季限定) モロッコのティーブランド『SAYRA』の茶葉を使ったティーが飲めるのは日本では『ダルナ』だけ。甜菜糖のほのかな甘さが加わった爽やかなミントティーはゴクゴク飲みたくなる味。

 ピクニックといえば、サンドイッチやお弁当、またはおにぎりという選択肢に落ち着きがちだけど、そこにモロッコ料理も加えたい。というのも、テイクアウト専門のモロッカンデリ『darna』を見つけたから。

 店主の清水理恵さんは、友人のレストランを手伝うために3年間モロッコへ移住。一緒に働いていた現地スタッフが作る家庭料理のレシピに感動し、その味を日本でも広めたいと今年4月にお店をオープンした。メインは現地で朝昼晩食べられているタジン鍋を使った蒸し料理。内容は日替わりで、この日のランチボックスは柔らかく煮込んだ牛すね肉と揚げなすを組み合わせたタジン。食材から出る水分のみで調理しているから野菜や肉の旨味が凝縮しており、具材も大きく、食べ応えも抜群。味の決め手となるクミンやパプリカパウダーなどのスパイスはモロッコの市場で直接買ってきたものを使っているので、食べた瞬間、異国の風味が優しく口いっぱい広がる。香辛料と聞くとスパイシーな味を想像するけれど、複雑な使い方はせずアクセントとして使っているためクセはなく、辛さがあるものはほとんどない。ドライフルーツを入れるのも定番で、ほっこりとした甘みが感じられるものも多く「日本人が好きな味」と清水さんが言っていたことに納得。本格的なモロッコ料理を量り売りで気軽な価格で楽しめるから、日頃の食事やピクニックにちょっと変化を取り入れたいときに頼りになる街の惣菜屋だ。

インフォメーション

『ダルナ』看板

darna

2023年4月28日オープン。店名はモロッコ語で「私たちの家」という意味。テイクアウトがメインだが店先のベンチで食べることもできる。内装や看板、ベンチはモロッコ中央部の都市「マラケシュ」の街をイメージしたピンク。

◯東京都渋谷区元代々木町23-4 11:00〜19:00 月、第2・4木休

Instagram
https://www.instagram.com/darna_moroccan.deli/