TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】ぼくの好きなロックステディ。

執筆:植田浩平

2026年6月25日

 今回は大好きな音楽、ロックステディについて書いていく。

 いきなりだけど、ロックステディとは───? って問いに自分なりに答えると、ジャマイカで生まれたスカがレゲエへと変遷していく過程(1966〜68年の3年弱)で産み落とされた宝物のような音楽。アルトン・エリス、ケン・ブース、フィリス・ディロン、デルロイ・ウィルソンといった歌い手によるスウィートかつハートフルなヴォーカル、ゆったりしたリズムに乗るコーラス、レゲエほどは太くないベース・ライン。これらが分かりやすい特徴で……なんて説明するよりも、聴いてもらう方が早いでしょ! まずは、アルトン・エリスの名盤『Sings Rock And Soul』のオープニング曲をどうぞ。

 これぞロックステディ。気持ちいいだけじゃ済ませられない、パワーがある。イントロのドラムが鳴って、アルトンが歌い出す瞬間、ぎゅっと胸を掴まれる人もいるだろう。じゃあ、次に棚から取り出すレコードは、これ! イギリスのレゲエ博士スティーブ・バロウが編んだコンピレーション『It’s Rockin’ Time ~Duke Reid’s Rock Steady 1967-1968』。とりあえず各面から1曲ずつ、おすすめを聴いてもらおう。

 いやあ、素晴らしい。先に流したのは、Tommy McCook&The SuperSonics「Indian Love Call」。スカ期の超重要バンド、スカタライツのメンバーでもあるサックス奏者のトミー・マクックのインスト・ナンバーは優雅で伸びやか、やさしい風に吹かれたような体感がある。次の「Drink Wine」はスリム・スミス、パット・ケリー、ジュニア・メンスなんかが参加してるThe Techniquesの良曲で、イントロから最高のフィーリング。晩夏の夕暮れ時、ビールを飲みつつ聴きたいなァ。

 こんな感じで延々と続けられても困るだろうから、最後に日本のバンド、Exotico De Lago「Cherry Blossom Blues」と「Aoi Kage No Air」を紹介したい。彼らが奏でるのはかなり特殊なロックステディ。ヒビ割れたような音質で、出自不明の気配があるけど、ずば抜けてカッコいい。デラゴには遠からず、つくばでも演奏してほしいなーと思ってる。

 ジャマイカ音楽(スカ、ロックステディ、レゲエ)について書き出すと、どうしたって止められない。好きなものは好き、それだけしか書けなくなる。

※書く上での参考書は、山名昇(責任編集)『BLUE BEAT BOP!』と石井“EC”志津男(編集)『The ROCKSTEADY BOOK』の2冊。レコードを聴くのと同じくらい、先達が残した本を紐解くことは重要なのだ。

プロフィール

植田浩平

うえだ・こうへい|1983年、千葉県生まれ。’91年に茨城県つくば市に引っ越し、中学から高校時代を送る。大学入学とともに転出するも卒業後にUターン。CDショップ勤務やイベント制作補助などのアルバイトを経て2013年4月、筑波大学に隣接する天久保地区に『PEOPLE BOOKSTORE』を開店。今に至るまで営業を続けている。

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