カルチャー
壁に貼って待ちたい、2025→2026年の新作映画。【前編】
2025年11月18日
デジタル時代とはいえ、映画のチラシにはやはりワクワクする。どうせなら家の中の上映予告掲示板みたいにして、次の四半世紀を迎えよう。きっとそこには、新たなマイ・グレイテストヒッツが待っている。
土井裕泰 公開中
妻と別れ地元で再就職する青砥は、夫と死別し地元に戻った、中学時代の初恋相手と再会する。また、『花束みたいな恋をした』で若者の恋をテーマにした土井裕泰が、中年の出会い直しの恋をどう描くのか。『花束』と同様の過去と現実の二段構成も見どころだ。
三宅 唱 公開中
ポパイではお馴染み、三宅唱さんの新作は、つげ義春の短編2作を映画化。そのまとめ方も気になるけど、『新聞記者』で高く評価されたシム・ウンギョン主演で、河合優実が共演する点も良作の予感。そしてロカルノ最高賞。あぁ、僕たちの三宅さんが遠くへ……。
ホン・サンス 公開中
各映画祭常連の名匠ホン・サンスが再び、イザベル・ユペールと組んだ最新作。1作目は一人三役、2作目はカメラ趣味の音楽教師、そして今作は旅人。フランス人イリスの、気ままで謎めいた、クスッと頬が緩むソウルでの日々を描く。彼女の新たな一面が楽しみだ。
タイラー・タオルミーナ 11月21日公開
インディペンデントの最前線、LAの映像制作集団「オムネス・フィルムズ」作品。その創設メンバーの監督が、イブの一夜を描く。とある家族が4世代集まって賑やかに過ごす中、抜け出す子供がいて……。スコセッシの娘やスピルバーグの息子の出演にも注目。
藤井道人 公開中
元ヤクザの男がかつての敵から金を盗み、弱視の少年の治療費に充てる。12年後、刑務所から出た男は少年と再会するが過去の因縁が重なり……。『新聞記者』『正体』など緊迫した人間ドラマを活写し続ける、藤井道人監督最新作。彼の撮る舘ひろしは、絶対新しい。
チョ・ヒョンチョル 公開中
2014年、韓国で修学旅行中の高校生たちが犠牲となったセウォル号沈没事故を背景に、修学旅行前日を過ごす女子高生2人の恋を描いた愛の物語。「夢と現実の境界を曖昧にしたかった」という監督のイメージのもと、撮影をDQM、音楽をヒョゴのオ・ヒョクが担当。
大森健生 11月28日公開
「どんな運命も受け入れる準備がある」と綴ったのは、’23年に逝去した音楽家、坂本龍一。晩年の日記を軸に、がんに罹患してから亡くなる3年半の日々を映す。稀代の音楽家は命の終わりとどう向き合い、何を残そうとしたのか。改めて彼の作品に触れたくなる一本だ。
竹馬靖具 11月28日公開
アロマンティック・アセクシャルの香里は、唯一の理解者だった夫・健流を自死で亡くす。彼の親友と会い、見えなかった健流の一面を知ろうと街を巡る。曖昧さをテーマに、パートナー役は福地桃子と寛一郎のZ世代俳優。多様性の中の個人を掬う現代的な映画。
中野量太 11月28日公開
『浅田家!』など、家族の在り方を撮り続けてきた中野量太監督最新作。兄の急死からバラバラだった家族が再集結し、兄の知らなかった事実が明らかになる。家族を想いなおす4日間を描く。“段々少なくなってきた”温かなホームドラマものを、改めて味わうのも一興だ。
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