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〈バウルズ〉というブランドを知りたい。
vowels
2025年3月15日
photo: Masaya Tanaka
styling: Takayuki Tanaka
grooming: Nori Takabayashi
edit: Minori Kitamura
シルクアノラックジャケット¥121,000、シャツ¥51,700、中に着たTシャツ¥20,900、リネンカーゴパンツ¥126,500、バケットハット¥22,000、クロスボディバッグ¥77,000 (すべてバウルズ info@vowels.com) 靴は私物
3月13日、キャットストリートに現れた巨大なビルボードを見たって人も多いんじゃないかな? ニューヨーク発のブランド〈バウルズ〉についてここで話そう。
デザイナーは八木佑樹さん。ニューヨークのパーソンズ美術大学で学んだ後、ストリートウェアブランドのデザイナーを経てブランドを始動させた。日本の守破離の精神、つまりは、基本を身につけ(守)、基本を踏まえながらも異なるものを取り入れ発展させ(破)、独自の新しいものを生み出す(離)という芸道の心構えが根底にあり、日本製にこだわった服作りを行っている。
例えば、このアノラックジャケットについて知ればその神髄がわかると思う。ドローストリングや袖口のゴム仕様など、紛れもなくアウトドアウェアのディテールを持つのにその気配が控えめなのは、素材がシルク100%だから。それも絹紡シルクという、生糸を製糸する際に出る短い繊維を紡績したスパン糸で織られているから一般的な生糸製の光沢より控えめで、上品なのだ。
この技術を持つのは、今や国内で1か所だけだという。日本の養蚕農家で大切に育てられた、蚕によって作り出された繭を余さずすべて糸にすることを使命として丁寧に糸を作り続けている工場で、ラグジュアリーブランドからの信頼も厚いそうだ。
そんな類い稀なる日本の生産背景を生かしながらストリートウェアを作るのがこのブランドってわけだ。
リネン製のカーゴパンツは花柄。ポリエステルの白糸で総柄刺繍を施した後に、刺繍部分にのみプリントするマッピングプリントを施した。刺繍するだけでは表現できない色数やグラデーションが生まれたロマンチックな花々だ。
日本の精巧で希少な職人技が下支えした品の良さとおおらかな雰囲気が同居しているシルクシャツ。縁はスカーフのように手まつりで始末、織り糸には強く撚った撚糸ではなく、糸を引き揃えただけの合糸を使うことでまるでシルクスカーフをまとっているかのような光沢とドレープが生まれた。
アイレット編みのハート総柄ニットは、ストリートの文脈も持つ八木さんが「大人のために作っている」と話す〈バウルズ〉らしい遊び心を感じる。キュートな編み柄でも、綿とカシミヤの混紡糸の撚りを甘く仕上げることによる綿のやわらかさとカシミヤのリッチな風合いでエレガントさすら感じる。
まず、街の人たちを観察したり、古い雑誌や写真集を読み漁ったり、デザイナーの目を通して経験したことを日常着に落とし込むストリートのマナーがそこにはある。その上で日本の伝統的なものづくりを生かした創意工夫がなされる。 だから、斬新さがあるけどすごくリアルで着たときの想像ができる。
ブランドはまだ2024年の春に始まったばかり。 はじめて会った八木さんは、服作りに対するピュアな気持ちがだだ漏れていた。 それが服に滲み出ているんだと思う。これからも、ずっと。
インフォメーション
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直営店はニューヨークのバワリーにある。八木さんが収集した約2000冊もの雑誌や写真集も展示され、自由に閲覧することができる。
info@vowels.com
Official Website
https://vowels.jp/
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