TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
【#3】パーマカルチャーの実現
執筆:黄瀬麻以
2026年3月24日
ルワンダに到着してから4日目、だんだんとルワンダの気候と食事にも慣れてきた。この日はONIBUS COFFEEスタッフも初めての訪問となる「ジュルコーヒー農園」へ。ここは豆の栽培から加工まで一貫して行える。つまりは農園とウォッシングステーションの一体型。とはいえそれだけでは賄えないので、周辺の農家からも豆を買う従来のシステムも併用している。
まずは到着してすぐ、山の斜面にある農園を歩くことに。コーヒーツリーがずらりと並ぶ中、ポツポツとマンゴーやバナナの木が見受けられた。通常は「シェードツリー」といって、コーヒーツリーに直射日光が当たらないようにするために背の高い木をある一定の間隔で植える。ここでは珍しく、食用にもできる植物がその役目として植えられていた。
次に豆の加工場へ。ここでは実と種子を外す作業がせっせと行われている。いわゆる私たちが飲むコーヒー豆の部分はコーヒーチェリーの種の部分で、加工時に実(チェリー)の部分は捨てられてしまう。多くのウォッシングステーション同様、ここでも実の部分をコンポストとして利用するのだが、他と違っていたのは、集められたチェリーの横に牛、うさぎ、鶏、アヒルといった動物たちが飼育されていることだった。それら家畜の糞とコンポストを合わせてこの場で肥料を作れるシステムまであったのだ。ここでできた肥料は、コーヒーチェリーの栽培に使用する。
オーナーが家畜の場所を丁寧に説明しながら案内してくれた。家畜は肥料としての役割だけでなく、牛は飲料用のミルクも取れ、アヒルや鶏は卵が取れる上に食肉にもできる。ルワンダはベルギーの植民地だったため、ウサギの食用も一般的で、「繁殖力が高いうさぎは狭い場所で飼育できるため、牛舎をマンション型にして土地の有効活用をして飼育できるんだよ」と説明してくれた。この農園での生産過程では無駄なものがほとんど見当たらず、全てが循環している様子だった。ONIBUSスタッフも大層感心していた。きっと彼らの土壌プロジェクトに役立つ多くの学びがあったのだろう。
農園の案内が終わり、隣町からバイク便で届けられた食事を振る舞ってくれた。バナナを蒸したものとヤギ肉の串焼き。「ヤギ肉焼きたてで美味しいからぜひ食べて!」とオーナーが勧めてくれる。
農園のすみの小屋で、彼らと他愛ない話しながら食事を共にする。
その横では、燦々と降り注ぐ太陽の下で美しい女性たちが「アフリカンベッド」と言われるコーヒー豆を乾燥させる棚で作業をしながら、時おり楽しそうに話している。ルワンダを訪ねる前は、こんなに豊かな場所だとは想像もつかなかった。嗜好品、途上国。そのフレーズだけで、勝手ながらどうしても厳しい環境を想像していた。実際に来てみて、会話をして、想像よりもだいぶ先の未来がここにあったようだ。
ONIBUSスタッフが気に入った味がいくつかあったようで、豆のサンプルを持ち帰ることに。いつかこの農園のコーヒー豆が日本で飲める時が来るかもしれませんね。
来週は最終回、ではまた~。
プロフィール
黄瀬麻以
きせ・まい|1984年京都府生まれ。フリーランスカメラマンとして東京を拠点に、雑誌、広告などで活動中。
Instagram
https://www.instagram.com/kisema1/
ONIBUS COFFEE
https://www.instagram.com/onibuscoffee/
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