ファッション

ピガール・コートに集うバスケクルー。

STYLE SAMPLE ’26 @Paris

2026年2月7日

STYLE SAMPLE ’26


photo: OJOZ
coordination: Mariko Tase
2025年2月 946号初出

 昨年パリにあの〈ピガール〉のギフトショップができたと聞き、オープン直後に行った。しかし残念、定休日。帰るか……となっていると、向かいのバスケットコートが強烈に目を引いた。〈ピガール〉のステファンがデザインした「ピガール・コート」には、この界隈に長く住む若者が集まる。彼らの格好がまた面白くて、継ぎ合わせのジャケットに、重そうなコットンフーディー。バッシュの人もほぼいないし、「これでプレーするの?」と聞きたくもなるが、それが「普段着のまま、なんならお気に入りの一張羅でコートに立つ」というこの街の自由なストリートバスケの姿。でもプレーはキレキレで、ラッカーパークのパリ版とでも言おうか。「幼い頃からステファンは靴をくれたり、みんなのビッグブラザー。これからは僕らもそうありたいんだ」とメンバーが話しているうちにもほら、ご近所のキッズが集まってきたよ!

Adams Kaba(25)Crew
Jacket – Jordan
Hoodie – Fear Of God × NBA
Pants – Nike
Shoes – Skepta × Nike
Beanie – used

 エース感漂うアダムスは「バスケは動きやすい格好が何よりだけど、家を出る前にパッと着たものが意外としっくりきたりするんだ」と言う割に、くすんだピンク、ビーニーの深いティールグリーンの色合わせがいい。スケプタコラボのスニーカーは、ステファンからギフトでもらったもの。

Boubakary Siby(25)Photographer, Co-Owner of Pigalle Court
Hoodie – Summer Love
T-Shirt – Stüssy × BOP
Pants – Uniqlo
Shoes – Asics
Beanie – Arc’teryx

 インディペンデントなブランドをよく着る写真家のブバカリー。友人がデザインする〈サマー ラブ〉のフーディーは試合にマスト。Tシャツは〈ピガール〉のバスツアーイベント「BOP」のために〈ステューシー〉が作った。プリントは「PABLO T-SHIRT FACTORY」が手掛け、メイド・イン・パリへの愛がスタイルの芯まで染み込んでいる。

Ibrahim Traore(24)Co-Owner of Pigalle Court
Jacket – used
T-Shirt – Uniqlo
Pants – Jordan
Shoes – Nike
Accessories – anonymous

 コートの共同オーナーであるイブラヒムは、フットボールスカーフを継ぎ合わせたジャケットがお気に入り。まあバスケプレーヤーには見えないし目立つけど、ピガール・コートにはよく馴染む。モロッコ旅行で買ったシルバーのアクセサリーもめちゃくちゃお似合い。

Ilyan Amimer(24)Crew
Jacket – Arc’teryx
Pants – Bape × DSMG
Shoes – Salomon

 一見するとランナーみたいなイリャン。でも後ろを向くと、パンツに〈ア ベイシング エイプ〉と『ドーバー ストリート マーケット ギンザ』のコラボの印が。幼い頃から裏原ファッションに惹かれ続けて、念願の初訪日で買ったそう。練習でもこれを穿くという大物だ。

Doums Coulibs(27)Co-Owner of Pigalle Court
Hoodie – Pigalle × NikeLab
Pants – Pigalle × NikeLab
Shoes – Nike

 みんなの兄貴分、ドゥムスは今日もピガール愛が全開。2014年から続く〈ナイキラボ〉とのコラボシリーズから、とっておきのフーディーを「これ、たしか2020年くらいだよね?」なんて言いながらさらっと着てくる。思い入れがあるのに肩の力が抜けている、この絶妙なリラックス感が〈ピガール〉の良さなのかも。

Maël Akamba(25)Crew
Shirt – Lacøzy
Pants – Uniqlo
Shoes – Nike
Beanie – Nike

〈ラコジ〉とは目新しいロゴだけれど、実はイブラヒム(上)の兄が手掛ける新鋭ブランド。ラグビーシャツやベースボールシャツなど、スポーツの境界線を超えるアイテムが多く、マエルはそれを敢えてバスケで着る。プレーとファッションのトレンドをいつも気にかけている彼らしいチョイスだ。

KICKS

Skepta × Nike – AIR MAX 95

Kiko Kostadinov ×
Asics – GEL-SD-LYTE

Nike – SHOX TL

Asics – GEL-NIMBUS

Nike – AIR JORDAN 11 RETRO

 足元に目を向けると、ユニークなモデルのスニーカーだらけ。そう、ここではバッシュじゃなくても大丈夫な理由がある。かつて騒音問題で閉鎖寸前だったピガール・コートだけど、2015年にナイキのスニーカーのソール部分を使ったリサイクル素材に張り替えた。音を吸って衝撃も受け止める柔らかい地面になったおかげで、今ではスニーカーでも余裕で走れるというわけだ。最近は〈アシックス〉なんかも流行ってるみたい。

インフォメーション

ピガール・コートに集うバスケクルー。

Pigalle Court

〈ピガール〉のデザイナー、ステファン・アシュプールが市と共同で運営するコート。もとは2006年に市が作ったものを、2024年にステファンが大胆にリデザインした。向かいのギフトショップ『Souvenir Pigalle』はこちら。パリ土産に困ったらぜひ。