カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.44

写真・文/久山宗成 a.k.a. Donald

2025年11月5日

photo & text: Muneaki Kuyama a.k.a. Donald
edit: Yukako Kazuno

第44回目のGEEK WATCH連載は、8年探し続けた希少種の奇跡の捕獲レポートです。それがこちら!!!

1980年にスイスの名門ブランド〈OMEGA〉が販売した
その名も「Seamaster Sensor Quartz」。

レイモンド・フロルデヴォーが設計を担当し、1980年バーゼル・ウォッチフェア開幕時に世界初公開されたオメガ・クォーツ時計発売10周年記念モデルです。

世界初のマイクロプロセッサー搭載マルチメモリLCD時計で、当時の最先端テクノロジーとラグジュアリーの融合を象徴した1本。

〈OMEGA〉がデジタルマルチファンクション化の潮流に挑んだモデルとして、時計史における“技術的冒険”の象徴的な役割を担っています。

では、このモデルが何がそんなに凄いのか? ヒントはモデル名のSensor。

このモデルは“センサー操作”という当時として画期的な入力方式を採用。物理ボタンの代わりに、静電タッチパネルで操作する画期的な方式です。

時計の機能に加えて、同時使用可能な9つのプログラム機能をスクリーン下の黒い−と+部分を指のタッチとスライドでモード切り換え、操作が出来るのです!!!

ちなみに9つのプログラムとは!

1.クロノグラフ
2.タイマー(減算カウント)
3.アラーム1(期限警報)
4.アラーム2(目覚まし警報)
5.時報
6.アジェンダ1(第1の日付の記憶)
7.アジェンダ2(第2の日付の記憶)
8.T2(他の時間表示)
9.カレンダー(曜日、日付)

資料によるとステンレスシルバー約60%、ゴールドプレート約25%、ブラックPVDが約10%という割合で、カラーバリエーションが存在し、総生産数わずか15,000本。

ただでさえレアな個体の上に、センサーが経年で動作不良が出やすいという理由で私も捕獲に年月を要したのでした。

お店でもご覧頂けますので是非お越しくださいませ。

プロフィール

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.44

久山宗成 a.k.a. Donald

くやま・むねあき | 改造活動家、企画編集者、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、2014年より改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を編集中。

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