カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.42

写真・文/久山宗成 a.k.a. Donald

2025年9月9日

photo & text: Muneaki Kuyama a.k.a. Donald
edit: Yukako Kazuno

第42回目のGEEK WATCH連載は前回に続き、「からくりお色気腕時計の復刻プロジェクト」の後編をレポートします。時は70年代。ルードボーイに愛された腕時計。それが「TIME TO FUCK」腕時計。

通常は時刻以外は、黒いフィルムで中が見えず、30秒毎に数秒だけ中が見えるという回転フィルム構造を搭載しているGEEKな腕時計。この腕時計は私を含めてかなりディープなGEEK WATCHファンが大好きなんですが悲しいお知らせが…。

それは、この腕時計はほとんどが機械式腕時計で現存する腕時計は殆どがジャンク品。チープな香港製で作られているため修理やオーバーホールが出来ないというマニア泣かせの腕時計なんです。

そこで! 最新のムーブメントとケースでこの腕時計を新たに製作出来ないかと長年考えていました。しかし! 神様有り難う。願えば叶うもんですね。遂にこの夢を叶えてくれる腕時計技術者と出会ったのです。名古屋にあるGAKUREさんに感謝、感激、雨霰。本当に有り難うございました。では半世紀余りの時を得て蘇りしからくりお色気腕時計をご覧くださいませ。

選んだのボディーはブシップ。ブシップ(BUSHIPS)とは、アメリカ海軍の艦艇局(Bureau of Ships)を意味する、特殊防水腕時計のこと。

第二次世界大戦中に結成された米海軍特殊部隊UDT(Underwater Demolition Team)の隊員向けに開発され、その独特のリュウズキャップの形状から、キャンティーン(水筒)との愛称があります。バンドもボディーに合わせて凝ったディティールのNATOベルトをチョイスしました。

それではどのように製作したかを解説しましょう。

先ずはお色気な文字盤選び。私のお色気トランプコレクションからベストなのをセレクトします。

と、ご覧のようにお色気ハーレム状態の中から一枚を決定。

選んだトランプを文字盤のサイズに円形に切り抜き、時計の針が抜ける穴を開けます。

偏光フィルムを秒針と一体化させると…なんということでしょう! 
お色気腕時計が現代に蘇りました。

30秒毎にお色気なレディーが浮かび上がっては消えを繰り返します。

数本限定販売もする予定なので気になる方はInstagramをチェックしてみて下さいね。

プロフィール

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.42

久山宗成 a.k.a. Donald

くやま・むねあき | 改造活動家、企画編集者、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、2014年より改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を編集中。

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