カルチャー

日本の洋画離れを解消するためにも観たい3作。

3月はこんな映画を観ようかな。

2025年3月1日

『ウィキッド ふたりの魔女』
ジョン・M・チュウ(監)

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

『オズの魔法使い』前日譚を描く同名ブロードウェイミュージカルの映画版。”西の悪い魔女”と”南の善い魔女”の大学時代の友情を通して、『オズの魔法使い』へと至る知られざる物語が明かされる。とにかく”南の善い魔女”ことエルファバを演じたアリアナ・グランデが素晴らしい。自己顕示欲の塊であるクイーンビー(要するに、学園の女王)を嬉々として演じていて、最近の彼女のチャームポイントである八の字眉毛もいい感じ。鑑賞後は彼女のナンバー「ポピュラー」を口ずさみたくなるに違いない。3月7日より公開。

『ベイビーガール』
ハリナ・ライン(監)

(C)2024 MISS GABLER RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

欲求不満の女性CEOが、若いインターンが猛犬を首尾よく手懐ける姿に魅せられ、秘めたる欲望の扉を開ける、逆転版『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』。CEOを演じるニコール・キッドマンが、みるみる”犬化”していくシーンが衝撃的。ホラーと見せかけた傑作コメディ『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』のハリナ・ライン監督作だから、もしかするとこれもラブロマンスと見せかけたコメディなのかも。3月28日より公開。

『プレゼンス 存在』
スティーヴン・ソダーバーグ(監)

(C)2024 The Spectral Spirit Company. All Rights Reserved.

がらんどうの空き家の内部を、カメラが浮遊するように映し出す。「これは誰かの視点ショットなのか?」と思いきや、最初に入ってきた人物(どうやら不動産屋らしい。演じているのが、かのジュリア・フォックスだ)に、その視点の主は見えないようだ。というあたりで、観客は合点する。「あー、これは幽霊の視点ショットなのか」と。以後、この視点を通して描かれるのは、空き家に引っ越してきた4人家族、とりわけ末娘が最近見舞われた悲劇をめぐる物語。「幽霊が映ってました」的なフェイクドキュメンタリーは多いが、これは「幽霊が撮っちゃいました」的なフェイクドキュメンタリーとも言えるかも。3月7日より公開。