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『平山旅館』のケンサキイカと自家栽培野菜で“採れたて”の意味を知る。

2023年9月28日

壱岐島アイランドガイド


photo: Hiroshi Nakamura
text: Fuya Uto

 POPEYE Webで連載をしている料理家の土井光さんから「とにかく料理がすごい」と聞き、心待ちにしていた『平山旅館』。ある島民の火傷が治ったという逸話から地元では“魔法の湯”と呼ばれる温泉も楽しみにしていたが、まさか料理長がとってきたケンサキイカの活造りや無農薬野菜の味にあそこまで衝撃を受けるとは。それもそのはず、壱岐のイカはあの有名な“呼子のイカ”と同じ海域で育ち、荷上げ場所によって呼称が違うだけだし、野菜は敷地内で栽培したものがほとんど。「自給自足ができる島と呼ばれるくらい食材が豊富で、旅館でも無農薬野菜の他に鶏を150羽ほど平飼いし馬も飼育しています。余った食材はすべて餌になりフードロスも一切ないんですよ」と、女将の平山真希子さん。朝ご飯ももちろんすごい。焼き魚、みそ汁、納豆といった朝の定番品を中心に名物壱州豆腐がまるまる一丁、朝摘みされた野菜サラダがこんもりと食卓に並び、体感だけど、通常の旅館の3倍くらいのボリュームがある。滞在中は満腹状態と温泉を繰り返し、体中にエネルギーが満ち溢れてくるのを実感。これぞニッポンのオーベルジュだ。

部屋
朝食
平山旅館看板

インフォメーション

平山旅館看板

平山旅館

創業1955年。湯本温泉郷エリアにあり、専用庭のあるモダンな和室から洋室まで計8つの部屋を用意している。源泉掛け流しの湯質は、鉄分や硫酸イオンなどの保湿成分が豊富(日帰り入浴可)。広々とした大浴場と2つの貸し切り露天風呂がある。近くの「猿岩」まで、受付で借りられる電動自転車でサイクリングを楽しむ宿泊者も多い。1泊2食付き¥17,750〜

◯長崎県壱岐市勝本町立石西触77番地 ☎︎0920・43・0016

Official Website
https://iki.co.jp/