カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.22

理化学用ガラス器具

2023年4月3日

text & edit: Shogo Kawabata
photo: Akira Yamaguchi
2023年4月 912号初出

理化学研究用器具がオブジェに。

インテリアの他、キッチンの調理器具などとしても使われるなど、様々な用途で愛される小泉硝子のガラス製品たち。ビーカー¥1,430~、平底フラスコ¥1,540~など。(小泉硝子製作所☎03·3803·3741)

 明治45年、東京都台東区で創業した110年以上の歴史を持つ小泉硝子製作所。現在、日本国内ではほとんどなくなってしまった、自社工場でホウケイ酸ガラス(耐熱ガラス)を融解させて生産を行う数少ないメーカーで、すべてメイドインジャパン、そしてハンドメイドにこだわり続けている。小泉硝子のオリジナルレシピのホウケイ酸ガラスは、特に耐熱性や耐薬品性の強いのが特徴で、理化学研究用器具や医療器具など、特殊用途が多い現場のリクエストに応え、様々なカスタムメイド器具の製作を行ってきた。そんな研究のために製作したガラス器具が最近、インテリアの一部としても注目されている。ディスプレイする際にガラスの機能美がより伝わるように、目盛りなどの印刷をすべて廃した特別仕様も登場。フラスコやビーカーなどお馴染みのものから、培養瓶やイカ瓶などのあまり目にしたことのない器具まで、サイエンスな気分を身近に感じさせてくれるオブジェとなっている。