フード

おいしいそうめんのコツ、それはきちんと洗うこと。

どのみち毎日食べるから。Vol.14

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2024年7月30日

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第十四回は、めんつゆを作って食べるそうめん。

「ちゃんと茹でて、めんつゆを自分で作ればいつもとは違うそうめんになります」(土井光)

MEMO

そうめんの他、めんつゆを作るために水、みりん、醤油、鰹節も用意。しそ、ネギ、みょうが、しょうがなどはトッピング用。

水、醤油、みりんを火にかける。めんつゆは醤油の割合が多いので、軽やかでお手頃なスーパーで売っている醤油がおすすめ。

鰹節を加える。鰹節がなければ、煮干し、昆布出汁でも良い。

煮たったら灰汁をとる。

濾す。鰹節は炒めておかかにするのもオススメ。

氷を張ったボウルの上で冷ます。クルクルと回すと早く冷める。

麺を茹でる。

沸騰したらお玉一杯分の水を加える。

もう一度沸騰したら麺をあげる。

雑菌の繁殖を防ぐためにすぐに触らず水にさらして温度を下げる。

「一生懸命洗っているな」と思われるくらい、とにかくゴシゴシ、ガシガシと麺を洗うのがポイント。麺に付いている塩と油を落とすイメージ。

水を入れ替えてもう一度しっかり洗う。

大きめの器に水と氷を張って盛り付ける。

好みの薬味を切る。

完成!

POPEYE

ぼーっと作って、ぼーっと食べていた、そうめん。茹で方にコツがあるなんて思ってもいなかった。しかも、とにかくよく洗うというシンプルな動作。言われた通り、本気で洗ったそうめんを、自作のめんつゆで食べると別次元と言ってもいいくらいクオリティが上がった。余計な塩分と油が落ちたそうめんはどこまでも軽やか&爽やか。自作のめんつゆは醤油の味が際立ってキリッとしていて、出来合いのめんつゆに抱いていた「甘い」というイメージを払拭してくれた。少しの意識で、大きな変化を生む、これぞコツ。

プロフィール

おいしいそうめんのコツ、それはきちんと洗うこと。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

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