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1年間限定で久が原に引っ越した老舗中華料理店『二葉』で、創業当時から変わらないケチャップオムライス。

4月はこんなお店に行ってきた。

2024年4月30日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルしたお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

オムライス¥800 具材は豚肉と玉ねぎ。こま切れの豚肉を使うが、細かくしすぎていないためお肉の食べ応えがある。ラーメンや麻婆豆腐を作るときに使う、鶏ガラや豚骨をベースにした中華スープ付き。

 学芸大学で開業してから70年、2023年12月に惜しまれつつ建て直しのために休業した中華料理店『二葉』が2月に久が原にオープンした。来年春頃までの期限付きで、学芸大学ではなかったお弁当の販売もおこなっている。2代目の古内恵子さんと息子の康夫さんが料理を担当する昔ながらの家族経営スタイルだ。ラーメンやタンメンといった汁麺の提供はしていないものの、そのほかのメニューはほとんど健在。学芸大学のときからのお客さんも多く来店する。

 そんな常連さんの7〜8割が注文するのが中華料理店なのにオムライス。チキンライスがセオリーだけど、『二葉』では創業当時から初代の頃に在籍していた料理人が作っていた豚肉入りのケチャップライスの味をそのまま作り続けている。塩、胡椒、ケチャップのみの味付けで特別なことはしていないけれど、鉄鍋で強火で調理するため、酸味が飛び、甘みのあるケチャップがお米一粒一粒にしっかりと絡まっていて、洋食のオムライスとはまったちがう二葉オリジナルの味わい。

 味は変わらないけれど、見通しの良い店内だからよりアットホームな雰囲気の中で落ち着いて食べられる気がした。1年間限定の空間の中で味わうオムライスを目がけて、久が原駅で下車してみよう。

ご飯の量も炒め具合も感覚。調理を始めてから提供まで5分もかからない手際のよさ。

店主の古内恵子さんは2代目。

テレビ番組「とんねるずのみなさんおかげでした」のコーナー「きたなシュラン」で2016年に紹介された。

インフォメーション

1年間限定で久が原に引っ越した老舗中華料理店『二葉』で、創業当時から変わらないケチャップオムライス。

二葉

昭和28年に学芸大学でオープン。仮店舗は久が原駅から徒歩1分。現在の場所は元々魚屋で、隣接する八百屋のほか、かつては肉屋もあり、一帯が小さなマーケットだった。

○東京都大田区東嶺町30-13  11:30〜14:30、17:00〜20:30(L.O20:00) 不定休 定休日の情報はインスタグラムで更新しているので行く前に確認を。

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