フード

戦後から続く大井町のクラシックな飲食店街に佇む、ナチュラルワインのバー『8ocho』。

2月はこんなお店に行ってきた。

2024年2月29日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルしたお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

オムレツとサラダ
渡部さんの出身地、山形県産のうるいとペコリーノロマーノのサラダ¥750 生のうるいにフレンチドレッシングに似た自家製のビネグレットソースがかかっている。イタリア生まれの黒キャベツ、カーボロネロが入ったスペイン風オムレツ¥660 一切れあたり卵を2つ使用し、にんにくが効いたアイオリソースが乗っている。グラスワインは¥800〜 写真はスペインのロゼワイン、「オチョ・イ・メディオ」。

 戦後すぐからお店が立ち並び、昭和のディープな雰囲気を残す大井町の東小路飲食店街の真ん中に、こじんまりとした、周りの店とは違うゆったりとした空気感のワインバーが一軒ある。長年この場所でワインバーを営んでいた料理研究家・平野由希子さんのアシスタント、渡部衿香さんがノウハウを受け継いでオープンした『8ocho』だ。

 スペイン風のオムレツやマッシュルームのセゴビア風、バスクチーズケーキなど、スペイン料理店で働いていた経験を活かしたメニューを旬の野菜を使って調理するので、いつ訪れても違った味を楽しめる。この日は、うるいやふきのとう、春菊やイタリアの黒キャベツ・カーボロネロ、スティックセニョールなど、春の味覚が揃っていた。

 オーストリア産のプロシュートやフランス産のチーズなど、上質なおつまみからパスタやグラタンなどのメインディッシュまであるから、しっかりお腹を満たしたいときにも、2軒目、3軒目でデザートを食べたいときにもぴったり。日本らしいクラシックな飲み歩きの街で、静かにナチュラルワインを楽しめるというアンバランスさが妙に落ち着く感じがした。

インフォメーション

看板

8ocho

料理研究家の平野由希子さんが13年営んでいたワインバー『8huit.(ユイット)』を引き継ぎ、居抜きで12月20日にオープン。近所に住むお客さんもいれば、品川駅から近いことから東京に遊びにきた観光客の方も来る。

◯東京都品川区東大井5-3-2 東小路飲食店街内 17:00〜23:00 不定休

 Instagram
https://www.instagram.com/winebar_8ocho/