トリップ

ジャケットを着て、オーベルジュへ。/滋賀『ロテル・デュ・ラク』

湖畔を列車に揺られて旅するオーベルジュ。元『イヌア』のスーシェフは、〝発酵食の県〟滋賀にいた。

2023年11月20日

小旅行とパッキング。


photo: Kazuharu Igarashi (Auberge), Hirokazu Kobayashi (Jacket)
styling: Kazuro Sanbon
text: Minori Kitamura
2023年12月 920号初出

大人な旅行を志す君には、オーベルジュをぜひとも薦めたい。泊まれるレストラン、と考えればわかりやすいだろうか?たまにするオシャレを旅先で。ジャケットを羽織っていこう。

オーベルジュ「ロテル・デュ・ラク」のレストラン『ソウアー』

 オーベルジュというものが今気になる。それはフランス発祥の名前で、地方や郊外にある、泊まれるレストランのことだ。日本にも各地にあって、調べると気になるところがどんどん出てきてしまった。

 地元の食材を使ったおいしいものを求めて旅に出て、しばし日常のことを忘れてゆっくり過ごすって、至高。このような大人な旅にこそ、ジャケットを羽織っていきたくなる。

日中はこんなカンジ。

 まずは新幹線で京都へ、そして琵琶湖に沿うJR湖西線で北に回り込んだ先にあるオーベルジュ「ロテル・デュ・ラク」のレストラン『ソウアー』が最初の目的地。湖、山、川に、近くの海。実は豊富な食材に恵まれている滋賀は〝発酵食の県〟ともいわれ、多くの酒蔵や、糀、味噌の醸造元がある。料理人の腕が鳴るそんなエリアで、サンフランシスコの三つ星レストランを経て、東京の『イヌア』(『ノーマ』の姉妹店。現在はクローズ)で副料理長を務めたコールマン・グリフィンをシェフに迎え去年オープン。ノーマ流の実験的なアプローチの影響を受ける彼自身、淡水魚の中でも、え、食べるの? と思うブラックバスも調理するし、調味料の醤油ひとつとっても、必ずアレンジを加えてオリジナルを何種類も用意してから料理に取りかかる。絶対マジカルな体験が待っている。

 さて、どんなジャケットを着ていこう? 例えばトラッドとストリートをミックスするNYのブランド〈ノア〉が、英国で最も歴史のあるテキスタイルブランド〈ジョシュアエリス〉のカシミヤで作った、〝本気の遊び〟みたいな一着とか、どうかな。

〈ノア〉ジャケット
NOAH
遊び心あるジャケットに、〈ルメール〉のパンツと〈ジェイエムウエストン〉でしっかりフレンチ要素を押さえておく。のは理想だが、まずはスエードのスニーカーとのカジュアルな合わせからでも。
カシミヤ素材のスポーツコート¥308,000(NOAH/NOAH CLUBHOUSE☎03·5413·5030)、ウール素材のハイネックニットカーディガン¥83,600、サイドアジャスター2プリーツトラウザーズ¥147,400(ともにルメール/エドストロームオフィス☎03·6427·5901)、ボタンダウンシャツ¥31,900(ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン☎0120·02·1818)、スエード素材のレースアップシューズ「ゴルフ」¥154,000(ジェイエムウエストン/ジェイエムウエストン 青山店☎03·6805·1691)、リブソックス¥3,520(パンセレラ/レショップ青山店☎03·5413·4714)、キャップ¥8,470(ホホ ココ/シップス銀座店☎03·3564·5547)

インフォメーション

オーベルジュ「ロテル・デュ・ラク」のレストラン『ソウアー』

ロテル・デュ・ラク

◯滋賀県長浜市西浅井町大浦2064 ☎0749·89·1888 レストラン(17:30~23:00、日12:30~15:00※外来食事 火・水休) ¥38,500~(大人2人1泊利用時、1人あたり)