トリップ
壱岐島を旅して思ったこと。
2023年9月28日
photo: Hiroshi Nakamura
text: Fuya Uto
島ごとオーベルジュ。採れたての食材を食べては寝る日々。
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/09/SNAP_020.jpg)
郷土料理を提供する宿泊機能がついたレストランのことをオーベルジュというけれど、レストランを「島」に変えたら壱岐島の説明になる気がする。それほどまでに壱岐は極上の食材を中心に癒しがある。四方を囲む玄界灘では海の幸、県内で指折りの広さを誇る平野「深江田原」では米や大麦が育ち、高い食料自給率を誇っている。水道水もミネラルをたっぷり含む地下水から賄われることが多いそうで、住んでいるだけでハイクオリティなスローライフを送ることができるのだ。そのエッセンスを凝縮しているのが『平山旅館』や『ゲストハウスみなとや』といった宿だ。土地を深く知る目利きによって揃えられた“採れたて”の素材は飲み込むのがもったいないくらいの旨味がある。さらに「湯本温泉郷」もスゴい。1,700年以上前からこんこんと湧き続ける濁り湯は皮膚や神経痛への療治作用が抜群。その効能から全国の温泉マニアも惚れ込む名湯として名高い。
そして神話が“フツウ”に根付く島でもある。日本最古の歴史書『古事記』とゆかりが深いことから“神々が宿る島”と呼ばれ、大小合わせると1,000を超える社や祠が点在し、その密度は日本一。なかでも足を運んで欲しいのが「月読神社」。京都や伊勢など全国無数にある月読神社の元宮で、神道発祥の地という説もある超パワースポットだ。鎮信鳥居をくぐり、うっそうとした森のなかに鎮座する拝殿へとお参りを済ませれば、不思議と島に歓迎されているような気分になる。境内左手の奥に祀られた石の前を通ったら「霊力を放っているらしいわよ」と偶然出会った旅慣れた淑女に教えてもらい、試しに手をかざしてみるとビリっとした(ような気がした)。
最後に付け加えることがもうひとつ。移動はレンタカーが断然オススメ。のんびり一周しても2時間弱だし、バスもあるけれど、公共交通機関でいけないような細道の奥にこそ絶景が待っていたりする。東側にある「旧日本海軍の見張所・兵舎跡地」なんかがまさにそうで、世界遺産の沖ノ島を観ることができる180度の水平線は圧巻だった。
ただ食べて飲んで寝ていただけなのに、都会生活で溜まった毒素が見事に抜かれた1泊2日。江戸時代くらいの旅人も僕と同じように五感と六感を使って壱岐島をエンジョイしていたのではないか。場所自体に魅力があると、遊び方は大昔も今も変わらないんだろうなと当たり前のことを再確認できた旅だった。
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