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〈adidas Originals〉とシティボーイの肖像。#6

ecec(21)_DJ,Fashion Designer

2024年8月13日

〈adidas Originals〉とシティボーイの肖像。


photo: Ryohei Ambo
illustration: Kouzou Sakai
styling: Kazuro Sanbon
grooming: Akemi Esashi
edit: Koji Toyoda

#6 ecec(21)_DJ

-After Lunch-

スニーカー「カントリー Ⅱ」¥15,400、Tシャツ¥4,950(ともにadidas Originals/アディダスお客様窓口☎️0570・033・033)

 都内で夜遊びを繰り返す若者たちにとって、その日のパーティに“ecec”の名前がクレジットされていたら、ラッキーと思うらしい。そして、それはライターの火もつかぬほど集結したオーディエンスたちとともに限界まで踊り明かすことを意味している。まさにノリにノっているDJのececさんは、弱冠21歳。高校卒業と同時に地元・福岡から上京しDJ活動をスタートさせたそうで、歴はまだ3年ほどだというから恐れ入る。

「元々は16歳の頃から服作りをしていて。高3のときに敬愛するオカモトレイジさんが福岡で『YAGI』のイベントをやった際に自作のTシャツを持っていって見てもらったんです。そこで気に入ってもらえたのか、頻繁に連絡を頂けるようになり、東京で専門学校を受験する際にはフットサルに誘ってもらったり。イベントで僕のブランド〈イル〉とコラボしない? 持ちかけてくれたり。完全に整った状態で、カマしてやるつもりで上京したんです。ところが……」

-At The Sento-

スニーカー「カントリー ジャパン」¥19,800、Tシャツ¥5,170、中に着た長袖Tシャツ¥8,800(すべてadidas Originals/アディダスお客様窓口)

 絶対に東京で目立てると思いきや、目立つ活動をしている若者に溢れた東京では、なかなかececさんの思惑どおりにはいかなかった。でも、元々器用なほう。オカモトさんと行動を共にするなかで、東京のストリートマナーを覚え、DJという武器を手に入れるとすぐさまその活動は若者たちの目に留まるようになる。

「19歳の夏に1か月、親友のジュンイナガワのポップアップに誘ってもらって一緒にイベントをやるために1か月くらいLAに遊びに行っていたんです。そのとき、ジョシュアツリーという砂漠地帯にある国立公園にも足を運んで。大自然の中で、エンヤの『オンリー タイム』を聴いたら、自分の中で何かが覚醒するのを感じたんです。帰国して一発目の『コンタクト』のパーティで、LAでの気づきをDJに生かせたというか、オーラを身に纏えて、初めてフロアをロックできた。これはついに東京でカマせたなと! それからの活動は今のところ順風満帆ですね」

-At The Midnight Party-

スニーカー「カントリー Ⅱ」¥15,400、トラックジャケット¥13,200(ともにadidas Originals/アディダスお客様窓口)

 それにしても、ececさんは本当に器用だ。取材当日、『不眠遊戯ライオン』で行われたパーティでボルテージが最高潮に達した瞬間に、突然披露したヨーヨーもプロ級。これもLA旅行の際にヨーヨー世界第3位の友人に教えてもらったものだというからびっくりだ。

「昔からテクニックを極めることがどうやら好きみたいで。ある意味、人をいかに盛り上げるか? という“技”を突き詰めるDJも同じようなもの。ただ一つ一つクリアしていくことに熱中しただけなんですよ。そうしていたら、幸運なことにめっちゃデカいダンスミュージックイベントのメインステージでDJすることも決まったんです。昨年のあのスクリレックスと同じステージ。もちろんカマしてやろうと思います!」

インフォメーション

〈adidas Originals〉とシティボーイの肖像。#6

adidas Originals COUNTRY

元々は、オフロードを走るクロスカントリー向けに製作されたシューズ。その伝説は「カントリー OG」に受け継がれるが、現行ではゴートレザーとピッグスキンヌバックをアッパーに使った上質な「カントリー ジャパン」と、表革でTトゥを成形した「カントリー Ⅱ」もラインナップ。さぁ、どれを選ぼう?

Official Website
https://shop.adidas.jp/products/IE4042/