フード

ネギとベーコンと卵でつくる超ベーシックな炒飯。

どのみち毎日食べるから。Vol.9

2024年2月24日

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第九回はネギとベーコンと卵で作る超ベーシックな炒飯。

「ずーっと弱火でパラパラに。ネギとベーコンでつくる家庭の炒飯です」(土井光)

MEMO

ネギとベーコンを用意。ハム、ウィンナー、少し余りがちな生ハムなど味が強い加工肉を使うと炒飯らしい味わいに。加工肉がない場合はひき肉を塩で強めに味付けして炒めて使っても良い。今回はだいたい2人前。

ネギを細かく刻む。土井さんのやり方は、上の写真のようにネギの半分まで斜めに切り込みを入れ、ひっくり返して、同じように斜めに切り込みをいれてから小口切りをするスタイル。すると簡単にバラバラのネギができあがる。

ベーコンを細かく切る。

油を入れる。

卵2個を溶いて投入。

すぐにご飯をいれる。炊き立てのお米は水分が多いので、冷ましたご飯がベター。

混ぜるというよりは、お米に卵をまとわせるくらいの感覚で。

火は弱火で、米全体に卵をいきわたらせつつ、あまり混ぜないのがポイント。混ぜすぎるとお米が潰れてモチモチした食感になってしまうため。

全体がパラパラしてきたらベーコンを加え、塩もいれる。ベーコンの塩分があるので少量でOK。パチパチと音がしてきたら熱くなりすぎているので火を弱め、とにかく弱火をキープ。パラパラを追い求めたい場合はこの状態を5~10分ほどキープしてもよい。

最後にネギ1本分入れて、混ぜる。

香りづけにごま油と醤油を鍋肌から入れて、全体に纏わせる。

大皿に盛ると格好よく仕上がる。

胡椒を一振り。

完成!

POPEYE

POPEYE

ただ生活しているだけでなぜか目に入ってくる「中華鍋をギンギンに熱して一気に仕上げる炒飯動画」の刷り込み教育で、今までなるべく強火で作っていたが、「プロの作り方と家庭の作り方は違うので」と真逆の超弱火スタイルを教えてくれた今回。そんなんじゃパラパラにならない! という懸念は、長く炒めるというシンプルな方法で解決。空き時間も必然的に多くなるので、そのあいだに片付けたり、違う料理を準備できるという利点もあった。具は野菜と肉と卵だけ、味付けはほぼ塩のみなのに、想像以上に店の炒飯の味ということに驚く。「味噌汁レベルでなんでも受け入れてくれる」という土井さんのコメントにも納得。冷蔵庫の余った具材で自分なりに色々と楽しめそうだ。

プロフィール

土井光 プロフィール写真

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

Instagram
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