ファッション

〈メンズフランドル〉のボーイスカウト“会員証”的なモデル。Vol.16

オールドDCスタジャンクラブ

2024年1月6日

text: Fuya Uto
edit: Shugo Okamune

 テレビディレクター岡宗秀吾さんの一声で生まれた、’80年代DCブランドブーム期に作られたスタジャンを掘り下げていく、オールドDCスタジャンクラブ。第16回は、〈メンズフランドル〉が再登場!

メルカリで10,200円で入手。メルトンやレザー部分ともに使用感なく、ほぼデッドストック並みの状態のよさ。

 1980年にスタートした〈メンズフランドル〉は当時を知る人であれば、一度は憧れたといっても過言ではない大ヒットブランド。時代の波に乗っていただけあって、モノトーン調のシックなものからアウトドアシーンをデザインに反映したものまで幅広いモデルが生み出されてきた。今回救出したのはその中間とも言える、両者のいいところが絶妙にミックスされた“ニクい”逸品だ。

 当時販売していた方によると、’90年代前後にリリースし、2〜3日で完売するほど人気だったモデルと判明。その理由は、ボーイスカウトから想起されたと思われる焚き火や斧の刺繍が醸し出す“男の子感”と、襟・アーム部分の艶なしレザーが持つアダルトな気配が見事に調和していることだと勝手に予想している。

 さらに、統一性のあるオリジナルフォントが、要素の多い全体をまとめる伏兵的な役割を果たしている。これがデザイナーの力なのだろう。テキストの内容もDCスタジャンの特徴である“勢い”そのままに「CLUB MEMBERS」というメッセージ。もしかしたら、愛用者(メンバーズ)のコミュニティ形成を担っていた会員証のような1着だったのかもしれない…?!

品のいい襟からブランドの美学がうかがえる。
左胸にあるエンブレムを囲う紐の“結び目”は、ボーイスカウト的に言うなればチームの友情と結束を意味するのかも。

 今回も岡宗隊長を筆頭に、バイリンガルなレイコ、編集部のミヤモトとノムラ、ライターのフウヤの計5人でワイワイ考察してみました。恒例のレター翻訳や試着シーンもチェックしてみてください!

つづく。

#015

〈メンズフランドル〉のスタジャン

MEN’S FLANDRE「1990s キャンプ&レクリエーションモデル」

〈メンズフランドル〉は現在、婦人服を扱うアパレル会社『フランドル』として活動。詳細な資料が残っていなかったが、当時携わっていた方の記憶ではカラーリングが全部で3色以上あったという。価格は¥45,000〜¥48,000。