キャラクターという新しい一面。Vol.4
オールドDCスタジャンクラブ
2022.07.09(Sat)
text: Toromatsu
edit: Shugo Okamune
テレビディレクター岡宗秀吾さんの一声で生まれた、80年代DCブランドブーム期に作られたスタジャンを掘り下げていく、オールドDCスタジャンクラブの第4回目の活動がスタート! 今回はオールドDCスタジャンの意外な一面、これまでにないアメカジライクな一着が登場だ。

相も変わらず隊長・岡宗さん、隊員にライターのトロ松、バイリンガルなオリーブのレイコによる3人でオールドDCスタジャンを研究(4人目の隊員ノムラは欠席)。前回の“今をときめくシティガールにぴったり”な〈スクープ〉に反して、今回の1982年に誕生した〈ポッシュボーイ〉のものは、赤と黒のカラーリングがなんともメンズライク。ワッペンやメッセージはもちろん、バックにデカデカとある愛くるしい(?)キャラクターについても考察してみた!

おっ、〈ポッシュボーイ〉ですね!

はい! これまでのDCスタジャンとは違う雰囲気なのが気になって救出いたしました。

いつになくスタジャンという感じがします。





革の質も良いし、フェルトのワッペンもふんだんに使っている。これはなかなか高級でしょ。

今回はメルカリで発掘。1988年物で15,000円ほどでした。

オールドDCスタジャンの中では高値に感じるけど、これだけ豪華な仕様のものを今買おうと思うとかなり値が張るはずだから、やっぱり安いよね。




まずはバックにドーンとあるブランドネーム、そもそもポッシュってどういう意味なの?

スパイスガールズのヴィクトリア・ベッカムが「ポッシュスパイス」って呼ばれていたりするように、イギリスでよく使われる言葉です。直訳は高級とか、上流階級みたいな。

日本でいうお坊ちゃまとかお嬢様みたいな感じなのかな。調べるとこのブランド名には、レイコ隊員の言う英国スラングのポッシュの他にもう一つの意味があったらしく、「PORT OUT STARBOARD HOME」の頭文字を取った言葉で、「左舷の部屋」という意味。昔、旅慣れた人は日当たりや快適さを考えて右舷ではなく左舷の部屋に宿泊していたことから、「粋な人」という意味が込められているそうです。

なるほど~。このポッシュボーイという言葉を背負うだけでも意味がある感じでいいね! ちなみに胸のメッセージは??

会社名とFWコレクションって書いてます。

はい出ました、お決まりのわざわざ言うやつ!(笑)でもさ、これまで見つけてきたDCスタジャンはどれもちょっとモードが入っている感じがあったけど、このタイプは珍しいよね。シカゴブルズのようなカラーリングでまさにアメカジ。後ろにはイーグル(?)モチーフもいるし。ただキャラクターがやっぱり日本的で、DCブランド感がある。

確かに和物感ありますね(笑)往年のJリーグキャラクター的だし、東北楽天ゴールデンイーグルスのキャラクターに見えなくもない。

レイコ隊員、着てみてどう?

彼氏のスタジャンを着ているって感じがいいなと思いました。

実はメルカリでこれと同じ物を見つけたんですけど、その出品者がコメントで「平成元年に新宿マルイで彼女のものとペアで購入しました」って書いていたんですよ。実際にこんな感じで女性も着ていたんだと思います。

いいねー! オールドDCスタジャンの持ち味でもある着丈の短さとか、アームホールの太さが絶妙で、めちゃくちゃオーバーサイズって感じもしないんだよね。これまた良いモノを見つけました。〈メンズビギ〉、〈メンズフランドル〉、〈スクープ〉、そして〈ポッシュボーイ〉。まだまだあるからね~、次は何を発掘しましょうか。
つづく。

POSHBOY「1988s イーグルモデル」
矢澤義夫など、時代を牽引したアートディレクターらが前衛的なデザインで男女を問わず魅了した〈ポッシュボーイ〉。創業は1982年。88年製のこちらはブランドでも珍しいキャラクターもの。