ファッション

年式不明のらしくないアメカジ作。Vol.11

オールドDCスタジャンクラブ

2023年2月8日

text: Toromatsu
edit: Shugo Okamune

テレビディレクター岡宗秀吾さんの一声で生まれた、’80年代DCブランドブーム期に作られたスタジャンを掘り下げていく、オールドDCスタジャンクラブの第11回目の活動がスタート! 10回を超えそろそろネタ切れか?と思いきや、まだまだ全然。オールドDCスタジャンの可能性はこんなもんじゃない。

集合したのはお馴染み岡宗隊長と、ライターのトロ松、バイリンガルなオリーブのレイコ、そして編集部のノムラを含めた計4名。僕たちが新たに手にしたのは、隙間なくワッペンが貼られまくった少々派手めのオールドDCスタジャン、〈パーソンズ〉のものだった。

隊長

隊長

きたきた〈パーソンズ〉、これは今も現役のブランドだからわかるよね?

レイコ

レイコ

ニューヨークの美術大学? でもスペルが違いますね。

トロ松

トロ松

日本の老舗ファッションブランドですね。調べると1976年から原宿にショップをオープンしていたと書いていました。

隊長

隊長

これはまさしくDCブランドの象徴のようなブランドですよ。それにしてもワッペンの量が凄まじいね!(笑)

ノムラ

ノムラ

ちなみにメルカリで1万円くらいでした。

隊長

隊長

この手の込みようで考えるとなかなかの破格だよ! もうさっそくだけどレイコ隊員に英語をいろいろ見てほしい。

レイコ

レイコ

ワッペンのアイコンからもわかるように多くは野球についてのことです。袖はだいたい“ベースボールチャンピオンリーグ”とか、チームが創設された年が書かれています。

隊長

隊長

チームの設立年に見立てているけど1976年は、パーソンズの創業年だね!

トロ松

トロ松

もはや創業年が入っていないオールドDCスタジャンを探すほうが難しいかもしれませんね(笑)。

レイコ

レイコ

バックも野球イメージのワッペンなどがメインですが、“パーソンズは登録商標です”とか、“パーソンズチームの歴史は1976年から始まり、以降何年も良い年を与え続けてきました”といったブランドの宣伝的な文言も見られます。

隊長

隊長

フリースタイルラップばりの自己紹介(笑)。これまでになくアメカジ感があるんだけど、胸のキャラクターデザインだけはちょっと日本的で見過ごせない。

トロ松

トロ松

チョコレートの某キャラクターのような。

隊長

隊長

とりあえず「Pちゃん」ってことにするけど、Pちゃんの周りにはなんて書いているのかな?

レイコ

レイコ

“これも登録商標です”と書いています。

隊長

隊長

えぇ!? Pちゃんも登録されてるの? さすがは〈パーソンズ〉。日本を牽引してきたブランドなだけありますね。ノムラ隊員、ちょっと着てみない?

ノムラ

ノムラ

違和感なく着られますね。

隊長

隊長

うんうん。レイコ隊員的にはどう?このスタジャン。

レイコ

レイコ

アメリカの懐かしい感じがしますよ。今までのものとは違って、ワッペンの多い感じとかにも馴染みがあります。

トロ松

トロ松

シルエットもなんだか、これまでの感じと違いますよね。オールドDCスタジャンって身頃が広くて短丈のものが多いイメージでしたが、これは身頃も狭くて丈も長い。時代感が全然感じられないというか。

隊長

隊長

あれ、もしかすると今回のものは80年代中期から90年代初期のズバの時代ものじゃないのかも??

トロ松

トロ松

実はそれ、僕も気になって〈パーソンズデザインスタジオ〉という〈パーソンズ〉の会社に尋ねたんですよ。

隊長

隊長

ほう! で、どうだったの??

トロ松

トロ松

広報の方が当時の人にまで聞いてくれたのですが、どれだけ売れたかなどはおろか、発売年などもわからずで……。

隊長

隊長

えー!広報の人でもわからないとなると誰に聞けばいいのかな。じゃあここにきて初の完全年式不明のオールドDCスタジャンが登場したわけだね。

トロ松

トロ松

そうなんです……なので、このスタジャンの詳しい情報を知る人がいたら、「POPEYE Web オールドDCスタジャンクラブ宛て」に連絡をいただきたいくらいです。引き続き調査を続けます!

つづく。

#010

PERSON’S「年式不明ベースボールチームモデル」

1976年に発足。同年に原宿に一号店をオープン。これまで発売されたスタジャンは数知れず、その中でも特にアメカジ色の強いモデルがこちらのもの。同デザインの緑×黄色タイプも発見したが詳しい発売年はわからないまま。