ファッション

憧れのインテリジェンスロゴ。

オールドDCスタジャンクラブ Vol.10

2023年1月18日

テレビディレクター岡宗秀吾さんの一声で生まれた、’80年代DCブランドブーム期に作られたスタジャンを掘り下げていく、オールドDCスタジャンクラブの第10回目の活動がスタート! 今回やってきたのは隊長いわく、これまでの中でも特にマニアックな逸品らしい。

第10回目のクラブ活動に駆け付けたのは岡宗隊長、ライターのトロ松、バイリンガルなオリーブのレイコ、編集部のノムラを含めた計4人。登場したのは、読み方さえわからないロゴが特徴的なスタジャン。〈イクシーズ〉と呼ばれるこのブランドのものを掘り下げていくことに。

隊長

隊長

〈イクシーズ〉、みんな知らないよね? これはこのクラブ活動至上最もマニアックかもだけど、当時若者に人気だったんだよ。

ノムラ

ノムラ

どんなブランドだったんですか?

隊長

隊長

アーバンなイメージで、洋服もさることながら、文房具なんかも人気だった。デザイナーが立っているのではなく、当時としては珍しい、異業種合同プロジェクトのブランドとして注目されていた。

トロ松

トロ松

調べると、かなりハイセンスなシャーペンやボールペンが出てきました。〈レナウン〉のダーバン事業部が中心となって10社前後がこの〈イクシーズ〉に参加していたから、スニーカーやダイバーズウォッチなど他社より幅広くいろんなアイテムを作れていたようです。

隊長

隊長

とにかく何て読むかわからないこのロゴにみんな惹かれていて、これがプリントされたものが学生のステイタスのようになっていたと思う。もちろんスタジャンもしかり。改めて思うと、このロゴってどういう意味なんだろう。

レイコ

レイコ

発音記号のように見えます。ただ実際に読もうとすると“イクシーズ”と発音できないので、〈イクシーズ〉が発音記号の雰囲気を用いて作ったオリジナルロゴなのかと。辞書を思わせるロゴで、知的な雰囲気がしますね。

隊長

隊長

それそれ!もう正直このインテリジェンスなロゴがバックにあるだけで十分。でもこのロゴが全てです、でこの活動を終わるわけにはいかないからね(笑)。恒例の英文研究いってみようか。

ノムラ

ノムラ

お馴染みのやつが見つかりました。

隊長

隊長

SINCE! コレはオールドDCスタジャンの基本ですね! 1980年からあるようです〜。

レイコ

レイコ

インディビジュアリーベーシックは、「それぞれのベーシック」ということですね。

トロ松

トロ松

今の版権元を見つけたのですが、そこにはイクシーズの説明に「それぞれのベーシックをコンセプトに、多様化するニーズに合わせた新たなスタイルを、ダイバーシティー&ファッションと捉え発信していきます」と書かれていました。

レイコ

レイコ

下の英文は直訳すると「クオリティのある人生のひとつ」となってちょっと不自然なように思えます。

隊長

隊長

でた、正しく読めない英文!これぞオールドDCスタジャンの真骨頂でございます。レイコ隊員みたいな英語ができる人からすると、こういうデザインってどうなの?

レイコ

レイコ

別に全然気にならないですよ。強いて言えば、リミテッドエディションなんだ~と思うくらいです。

隊長

隊長

そういう感じなんだね(笑)。ちょっと実際に着てみてよ!

レイコ

レイコ

これもまた着やすいです。

トロ松

トロ松

メンズが着るとちょっとノスタルジーになりますが、それもまた今っぽくていいですね!

隊長

隊長

アメカジスタジャンの王道〈ゴールデンベア〉のようなディテールに、このインパクトのあるグラフィックがなんとも言えず良い。これがフリマサイトとかなら、状態の良いものでも8,000円くらいで買えちゃうんだよ。

トロ松

トロ松

定価よりは圧倒的に安いはずです。広報の方に連絡をとってこのスタジャンについて聞いてみたのですが、当時の営業の方に尋ねてもらっても、よく売れたってことしかわからずで……。

隊長

隊長

〈イクシーズ〉は、日本ではあまり稼働していないみたいだけど、実は今シンガポールで火がついているみたいなんだよね! 日本にもない直営店が向こうにはあったりして。

トロ松

トロ松

ほんとだ!インスタグラムのアカウントもありますね。アジアで人気と聞くと、ますます興味が湧いてきました。

隊長

隊長

前回の〈SAS〉同様に、このスタジャンが復刻する日もそう遠くないかも!?

つづく。

#009

ixi:z「Mid 80sリミテッドエディションモデル」

1980年に生まれた異業種合同プロジェクトのブランド。発音記号の雰囲気をモチーフにしたようなロゴが注目を集め、このスタジャンのみならずロゴ入りの文房具やグッズなどを持つことがステイタスとなった。