フード

冷やし中華、始めてる?Vol.3

Hiyashi-Chuka for City Boys

2022年7月29日

photo: Kazuharu Igarashi, Megumi Uchiyama, Kunihiro Fukumori
text: Yuichi Samejima, Ryoko Iino, Toyofumi Makino
edit: Asuka Ochi
2015年8月 820号初出

駒場東大前/千里眼の冷やし中華

千里眼の冷やし中華
冷やし中華(普通)無料トッピング全部マシ¥1,000

 うず高く盛られた野菜の山。『千里眼』の野菜マシは冷やし中華もやっぱりすごいインパクト。無料だからといって欲張るんじゃなかったと一瞬弱気になるものの、箸を進めるうちに夢中になって、完食できちゃうから不思議。ニンニクが効いた濃厚なタレは野菜をサラダ感覚にしてくれるし、なにより冷たい麺との相性が抜群。二郎インスパイア系といわれる界隈で、いち早く冷やしを開発したパイオニアだけに、のどごしがいいストレートの平打ち麺や、冷えても硬くなりにくい鶏チャーシューなど、見かけ倒しでなくしっかり考え抜かれている!

インフォメーション

千里眼

○東京都目黒区駒場4-6-8 佐藤ビル1F 
☎03・3481・5773 11:00~15:00・17:00~21:00 水休

新橋/四季煲坊の冷やし中華

四季煲坊の冷やし中華
器に氷がいくつも入って常にキンキン。冷やし中華¥750(夜は¥850)

 パワフルに店内を切り盛りする女性店長の郭さん。「あれ、誰かに似てる?」。そう、郭さんはオアシズ大久保さん本人もお墨付きのソックリさんとして『サンジャポ』などでもお馴染みの人。時に支払いの端数やデザートをそっとサービスしてくれたり、お客さんとの密なコミュニケーションを欠かさない。冷やし中華を夏だけではなく、通年メニューにしたのもお客さんのリクエストに応えて。お酢と生姜が効いた醤油ベースのさっぱりダレに、ニンニク入りの自家製ラー油を具材にかける2段構えの味付けは、見た目ほど辛くなく酸味や甘みも堪能できる。

インフォメーション

四季煲坊

○東京都港区新橋2-9-16 米倉屋ビル1F 
☎03・3503・4560 11:00~23:20 無休

白金高輪/中國料理 聚寳園の五目冷しそば

聚寳園の五目冷しそば
具材は前菜としてもしっかり味わえる。五目冷しそば¥1,400

 今でこそよく聞く「オーガニック」という言葉だけど、『聚寳園』は創業した30年前から安心できる食材を使用。畑を作ってしまうほど食材に関心があった初代の考えは2代目にも受け継がれている。名物の蟹のあんかけ炒飯をはじめ、自然で滋味深い味に加えて、淡い色合いが美しいメニューも特徴。五目冷しそばもその一つで、キュウリは丁寧に皮が剥かれ、きれいなパステルカラー! 具にはベジミートと呼ばれる“豆腐の肉”も。これは精進料理として中国では古くから馴染みのあるものらしく、“オーガニック中華”とは伝統に忠実な料理なのだと納得。

インフォメーション

中國料理 聚寳園

○東京都港区白金2-3-17 ホワイトヒルズ白金2F 
☎03・3445・7007 11:30~14:15・18:00~21:15 火・水休

恵比寿/栄楽の冷やしそば

栄楽の冷やしそば
冷やし中華、始めてる?Vol.3

 建物は新しいのに、表には「創業昭和三十五年」の看板。店内には創業当初からの古い招き猫があったり、昔の写真が飾られていたり、現在と過去が交差する不思議な雰囲気。もともと原宿にあったが、4年前に現在の恵比寿に移転してきたという。店のご近所さんだけでなく、原宿時代の常連さんが今でも名物のカレーそばやチャーハンを求めて顔を出すというから、味は確か。冷やしそばは、厨房の奥にある年季の入った製麺機で仕込む自家製麺。細く均等に切り揃えられた具材がとにかく美しい! こうすることで食感が格段によくなるそうだ。

インフォメーション

栄楽

○東京都渋谷区恵比寿2-12-15 
☎03・5420・6662 11:30~14:00・18:00~20:30 日・月休