冷やし中華、始めてる?Vol.2
Hiyashi-Chuka for City Boys
2022.07.26(Tue)
photo: Kazuharu Igarashi, Megumi Uchiyama, Kunihiro Fukumori
text: Yuichi Samejima, Ryoko Iino, Toyofumi Makino
edit: Asuka Ochi
2015年8月 820号初出
浅草/馬賊の馬賊冷やし中華

初めてここを訪れた人は、店内に響き渡るバチーン! という激しい音にビックリするはず。思い切り麺を打ちつけながら、ラーメンマンのごとくするすると器用に延ばしていくその様は、まさに職人芸だ。そしてこのコシの強いモチモチ麺で作るメニューがどれも旨い! 冷やし中華は全部で4種類。なかでもゴマだれの「馬賊冷やし中華」は、担々麺にも使われるピリ辛のタレを隠し味に使用。「もう30年通ってるけど、冬は担々麺、夏はつけ麺しか食べたことないよ!」って、いつもの担々味を求めて来るお客さんにも、騙されたと思って食べてみて、とオススメしておいた。
銀座/羽衣 銀座本店の河南涼麺

同じ具で炸醤麺も。河南涼麺¥1,100、大盛り+¥200※ともに税抜き
もともとラーメンと餃子の専門店だった『羽衣』。35年前に渋谷から移転、そのときに銀座らしい中華料理店を目指して再出発した。洋中交ざり合うインテリア、優雅なクラシック・ミュージック。冷やし中華だって、お上品に別盛りだ! 食べ方はフリースタイルで。最初にドバッと具をのせてもいいし、あえて別々につまみながらもあり。冷やし中華には珍しい揚げたてのエビフライと冷え冷えのスープもなかなかに好相性。最後は具の土台になっている春雨をスープにくぐらせる。酸っぱすぎず甘すぎない、複雑なスープの味を最後まで飲んで楽しめるのも銀座スタイルか。
新井薬師/五香菜館の冷し中華

冷し中華 ¥1,050、手打ち ¥1,190
新井薬師近くの住宅街にある、創業48年目の『五香菜館』。ダイナミックすぎる手書きメニューに、古いテレビから流れるお昼のニュース。近所の常連客の話し声も合わさって、いつも賑やか。ご主人のモットーは客を楽しくもてなすこと。それだから、週に3日しかない営業日をめがけて、多くの常連客が会いに来る。気さくな中華屋だけど、味も確かなのは、ご主人がホテルの高級中華料理店出身だから。冷やし中華に使用するのは手打ち麺。具はゆで卵と甘い錦糸卵の、卵がなぜか2種類。レンコンなんてものも合わせて10種類。客の笑顔のために、年々具が多くなっている。