ライフスタイル

リビングよりも、ホームジムが主役な部屋作り。

世界の部屋。/BERLIN

2026年2月28日

部屋とシティボーイ ’26


photo: Rie Yamada
illustration: YOTS
coordination & text: Yukiko Yamane
2026年3月 947号初出

Denis Olgac Art Director

デニス・オルガッチュ|1993年、ヴィースバーデン生まれ。2014年、兄や幼馴染みとクリエイティブ集団「Sucuk und Bratwurst」を結成。2017年にベルリンへ移住した。
〈KWON〉のカラフルな柔道畳マットを敷いた、自慢のホームジム。小さな家のケトルベルやアルファベットのウェイトプレートなど、アーティスト仲間のオリバー・ブアラムとのコラボレーションでワークアウトグッズを制作中。

〈ナイキ〉のロゴをクロワッサンにしてみたり、捻りの効いたブランドのビジュアルデザインを手掛けるデニス・オルガッチュ。子供っぽいユーモアと遊び心を大切にする彼の自宅を訪ねると、色鮮やかなインテリアがオブジェのように並び、気になる仕掛けもあちこちに。

 なかでも彼のお気に入りがホームジムだ。20代前半から健康に目覚め、趣味はもっぱらトレーニング。ソファより柔道畳マットの上で過ごすことが多く、朝のコーヒーとストレッチから始まり、運動しながら新しいアイデアのブレストをすることも。最近では自らワークアウトグッズを制作するほどだ。

「3DデザインなどオフィスでPC作業が多い分、この家ではできるだけスマホを見る時間を減らしてる。体を動かしたり、休めたり、もっと自分の体の声に耳を傾けたいんだ」

-KITCHEN-

一見シンプルだけど、意外とアイデアが湧くというキッチン。〈USM〉の「USMハラー」に詰め込んだ野菜や果物、窓際にある〈パンプシェード〉のバゲットランプなど、思わずクスッと笑ってしまうネタがちらほら。「最近は野菜や果物にハマってるから、自宅で実験的にインスタレーションをしたり、目の届くところに置いてるんだ」。スペースエイジな照明やテーブル、椅子は、元カノからもらったり、eBay Kleinanzeigenで購入した中古アイテム。

-LIVING-

「実は一番使わない」というリビング。トーゴソファの向かいにある〈Bottone〉のキャビネットには、自身の作品や雑誌、フランスの画家アンリ・マティスの名作をスペルが似てるマンティス(カマキリ)に変身させた「Sucuk und Bratwurst」の「Mantisse」などが並ぶ。白いスピーカーは、18歳の頃に家族と一緒につくったもの。

懸垂バーとしても機能するワークデスクと椅子は仲良しのアーティスト、ニック・コスマスの作品。「彼がベルリンを離れる際に譲り受けたんだ。体操にインスパイアされたカラフルな家具で気分が上がるよ」。壁にはエットレ・ソットサスがデザインした〈イケア〉のウォールランプ。 エイリアン型の「ZENOMORPH chair」は、2023年に「Sucuk und Bratwurst」がミラノサローネで発表したもの。

グラフィック要素をちりばめたウォールバーもニックの作品。トレーニングだけでなく、長めのアイテムを引っ掛ける収納アイテムとしても活用している。

-BEDROOM-

裏庭向きで静かなベッドルーム。ハンス・グジェロがデザインしたベッド「Gugelot Bett」は、ベルリンに来て初めて買った思い出の家具。ベッドリネンは〈テクラ〉、自宅にあるラグはすべて〈Wild Heart Free Soul〉を愛用中。

椅子と大きなフレームもニック・コスマスの作品。椅子のファーラグはお母さんにもらったもの。

-HALLWAY-

リビングへと続く廊下には、「Sucuk und Bratwurst」の作品を展示。照明はルイジ・コラーニのUFOランプ。道路で使用されるカーブミラーをインテリアとして活用。

トイレ前にあるラバーカップを改造したキャンドル立ては、ネットで見つけたアイデアを自作。コーナーにはローファーを履かせたトイレットペーパータワー。「ストックは必要だし、簡単だからおすすめ」

インフォメーション

リビングよりも、ホームジムが主役な部屋作り。

Area | ベルリン・ミッテ地区
Space | 2LDK 145㎡
Remarks | 19世紀後半に建てられた、スタッコ装飾の高い天井が特徴的。8年前に兄と入居し、現在は一人暮らし。