カルチャー
雨やどりしつつ、今の時代をじっくり考えたくなる展示4選。
さーて、6月はどんな展示に行こうかな。
2025年6月8日
text: Ryoma Uchida
Catchy Catch
@art space co-jin
京都御所東の荒神口にある『art space co-jin』は、障害のある人の作品や表現に出会える場として『きょうと障害者文化芸術推進機構(事務局 京都府障害者支援課)』が運営するスペース。ここで開催中の展示「Catchy Catch」は、富田晃生とM.O.による二人展。ロゴタイプやシンボルマーク、TV番組のタイトルロゴや商品のキャッチコピーなど人を惹きつけ印象を残すためにデザインされた“キャッチー”なそれらを独自の手法でアウトプットするそれぞれの作家にフォーカス。厚紙をコラージュし、透明なテープでぐるぐる巻きにコーティングした作品を作り続ける富田晃生。その時々で気になっているキャッチフレーズを粘土で造形し、仕上がった作品をすぐさま粘土の塊に戻してしまう(作品を残さない)M.O.の創作の記録。それぞれの豊かな営みを“キャッチ”しに、ぜひ行ってみよう!
インフォメーション
Catchy Catch
会場:art space co-jin
会期:2025年5月7日(水)〜8月3日(日)
時間:10:00〜18:00
休み:月曜、火曜
Official Website
https://co-jin.jp/exhibition/5063/
被爆80年企画展 ヒロシマ1945
@東京都写真美術館
写真は、人々の日常から克明な惨禍の記録まで、様々な歴史の瞬間を今に伝えてきた。本展でフォーカスされるのは、広島の原爆被害の実態だ。第2次世界大戦末期の1945年8月6日、人類史上初めて米軍によって広島の上空に投下された原子爆弾。3日後には長崎がただ一発の爆弾によって焦土と化した。その頃、自ら被爆しながら、あるいは壊滅した街と苦しむ市民の姿に衝撃を受けながら、カメラを手に原子野を歩いた人々がいた。『東京都写真美術館』の地下1階展示室で8月17日まで開催される本展は、広島市民、報道機関のカメラマン、写真家たちが撮影したそれら広島の原爆記録写真と映像が、報道機関と連携する初の試みのもと公開される。戦後80年、「新しい戦前」なんて言葉も言われるなか、昨年、ノーベル平和賞が授与されたのは「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」だ。各地で戦争がやまない今こそ、当時の風景や人々の訴えから、様々なことが学べそうだ。
インフォメーション
被爆80年企画展 ヒロシマ1945
会場:東京都写真美術館 地下1階展示室
(東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
会期:2025年5月31日(土)〜8月17日(日)
時間:10:00〜18:00 (木·金は20:00まで)※ただし8月14日・15日は21:00まで開館、入館は閉館の30分前まで。
休み:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
料金:一般800円、大学生以下無料、65歳以上 500円(オンラインで日時指定チケットも用意)
Official Website
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5175.html
横浜美術館リニューアルオープン記念展
「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」
@横浜美術館
「ピタゴラスイッチ」 「バザールでござーる」 「だんご3兄弟」 「スコーン」 「モルツ」 「ポリンキー」etc。これらの生みの親であり、’90年代以降のメディアの世界を牽引してきた佐藤雅彦にフォーカスした展覧会が開催。創作の根幹にある「作り方を作る」という姿勢、苦手なものを表現手段にしてしまう手法、体験者に新たな感覚や気づきをもたらすインタラクティブアート作品など、その作品、人生、考え方をまるっと紹介する充実の展示。40年にわたる創作活動について、佐藤雅彦自身が書き下ろした公式図録『作り方を作る』も要チェック。リニューアルオープンしたばかりの『横浜美術館』もみどころ満載である!
インフォメーション
横浜美術館リニューアルオープン記念展 「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」
会場:横浜美術館
会期:2025年6月28日(土)〜11月3日(月・祝)
時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休み:木曜日
料金:一般2,000円、大学生1,600円、中学・高校生1,000円、小学生以下無料
Official Website
https://yokohama.art.museum/exhibition/202506_satomasahiko/
不和のアート:芸術と民主主義 vol. 3
@東京藝術大学大学美術館 陳列館
ますます不安定な国際情勢。日々様々なニュースがあるけれど、その全体を覆うのは、ナショナリズムや自民族主義、レイシズムや排外主義の広がり、権威主義的国家の台頭、暴力による政治的弾圧、少数民族の迫害、原理主義の拡大などなど、この先の世界が不安になるような出来事が多い。そんななか開催される「不和のアート」展は、民主主義と芸術との関係を議論する一時的な場を作ろうという目的のもと、2022年5月に『東京藝術大学大学美術館』にて第一回を開催した展覧会。新型コロナウイルス感染拡大がようやく収束しつつあった当時、国際政治の急激な変容を受けて緊急開催されたのを皮切りに、展示やパフォーマンス、ディスカッション、ワークショップを迎え、この危機的な状況において何ができるのかを模索する場となっている。第三回の今回は、国境なき朗読者たち(金子森、岡真理)や、Watermelon Alliance、中島りか、円香(現代魔女)らによる様々なイベントが予定。この時代に何を考え、どう生きるべきか、ぜひ足を運んでみよう。
インフォメーション
不和のアート:芸術と民主主義 vol. 3
会場:東京藝術大学大学美術館 陳列館1、2階
会期:2025年6月13日(金)〜6月15日(日)
時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休み:会期中無休
料金:無料
Official Website
https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2025/06/the-arts-of-dissent-vol3.html
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